【救急看護】心停止のおけるDCとAEDの特徴

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DCもAED効果は同じ?知っておきたい使い分け、ここで学びませんか

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DC(直流除細動器)とAED(自動体外式除細動器)は混同されがちですが、大きく違う点がいくつかあります。急変時に落ち着いて活用できるように、使い所を覚えていきましょう!

※本記事では直流除細動ならびに自動対外除細動器を略称(DC ,AED)で以下記載しています。

DC(直流除細動器)とAED (自動体外式除細動器)

医療や救急の現場で頻繁に使われるDC(直流除細動器)AED(自動体外式除細動器)ですが、2つは似ているようで異なるものです。特に DC(直流除細動器)においては、制限もありますがAED(自動体外式除細動器)とは異なった機能も備えられています。

今回は、それぞれの違いを押さえながら、DC(直流除細動器)について説明していきます。

DC(Direct Current)とは名前の通り直接的に除細動を実施するための機械です。対してAED(Automated External Defibrillator)も同様に除細動をかけるための機械です。どちらも除細動を実施ることを目的としていますが、除細動をかけるための流れは異なります。

それぞれの特徴を以下にまとめました。

DCAED
正式名称直流除細動器自動体外式除細動器
電源ダイヤルを回すオートまたは電源ボタン
エネルギー量設定(180J程度/推奨値)オート
チャージチャージボタンオート
ショックショックボタンショックボタン
ショックの方法二相性(基本)二相性
使用者医師または看護師指定なし
電力充電式電池式(基本)

注目すべきポイントとしては、AEDは非医療従事者でも扱いやすいように作られています。使用方法も分かりやすく、電源をつけて音声に従うというシンプルな流れになっています。

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AEDの種類によっては開けるだけで電源がつく仕組みのものもあります。その場合は音声に従うの一点のみで非常に利便性が高くなっています。

AEDも除細動と同様に使用可能であり、広く知られています。また、医師が不足している病院によってはDCではなくAEDを各病棟に備えることで、致死性不整脈に対応できる形をとっている施設も多くあります。

それらの観点からAEDが急速に普及していますが、全ての点においてAEDに利点があるわけではありません。DC には主にエネルギー量(J )を調整できることやCCF(胸骨圧迫時間比)上昇などのメリットがあります。

参考資料

ICLSコースガイドブック

ICLSコースガイドブックでは除細動の使い方のみでなく、救急全般の基礎知識を学ぶのにオススメのガイドブックです。

心停止におけるAED(自動体外式除細動器)

心停止におけるAEDの一番のメリットは誰でも使用が可能であることです。2004年からAEDは一般市民の使用が可能となりました。

AED(自動体外式除細動器)の使い方

使い方は至ってシンプルで、AEDはケースを開けるところから始まります。

  1. 電源がフルオートでつかない場合は電源をつける
  2. 音声ガイドに従い、AEDパッドを貼付する
  3. 音声ガイドに従い、コネクタを接続する
  4. 音声ガイド後に自動解析が始まりショックの適応か判断する
  5. ショックの適応であれば充電後にショックボタンが点灯する
  6. ショックボタンを押してショックを実施する
  7. ショック後は音声ガイドに従いCPR (心肺蘇生法)を再開する

除細動を実施するまでの流れにおいて、AEDは音声に従うことがほとんど全てになります。2分ごとの波形確認なども音声で案内があるため、安心してCPRに専念することができます。

また、近年では胸骨圧迫の深さや早さなどを判断して本体で見ることのできるAEDなど、機能も充実しています。

AED(自動体外式除細動器)は持ち運びが容易

AEDはDCと比較して重量も軽量で持ち運びが容易です。特に階段などを運ぶ場合や長距離などではAEDの有用性が高く、医師の少ない施設や病院、災害現場では医療従事者であってもAEDを使用します。

心停止におけるDC(直流除細動器)

AEDがオートマティックであることに対してDCはマニュアル仕様になっています。ガイドなど音声もないため使い方だけでなく、適応なども覚える必要があります。

病院など医療施設ではDCのみを置いている病院も多数あるため、医療従事者には必須の知識と言っても過言ではないです。

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使い方を覚えると同時に心停止などの急変では全例、DCを準備する習慣を意識づけすることが大切です。DCではAEDモードが搭載されているため、DCがあればAEDとしての機能を兼ねることもできます。

DC(直流除細動器)の使い方

DCは大きく分けて波形の確認エネルギー量(出力)調節除細動実施の3部構成となっています。波形の判読なども入るため、より高度な知識が求められます。

また、長距離の持ち運びは困難であってもDCもベッドサイドに持ち運んで使用するため、基本的に充電式になっています。日常から充電がされていれば、コンセントを抜いても使用が可能です。

また、除細動器は主にパッドによる除細動とパドルによる除細動が可能です。従来はパドルによる除細動がメインでしたが、近年では胸骨圧迫中断時間の関係や手技の問題、空中放電などの危険性からパッドによる除細動が主流となっています。

パッドで実施する場合

  1. DCの電源をつける(電源ボタンはないため、出力のダイヤルを回せば電源が入る)
  2. 心電図モニターを装着する(パッド誘導で実施する場合は不要であるが、原則は装着する)
  3. 心電図を判読して除細動の適応であることを確認する
  4. 除細動のパッドを貼付する(右鎖骨下,左腋5〜8cm)
  5. J数を設定し充電を行う
  6. 周囲の安全、自身の安全、酸素など電気によって引火するものがないかを確認する
  7. 最終波形を確認しショックの必要性を再確認する
  8. 充電完了後ショックボタンを押してショックを行う
  9. 速やかに胸骨圧迫を再開する

パドルで実施する場合

  1. DCの電源をつける(電源ボタンはないため、出力のダイヤルを回せば電源が入る)
  2. 心電図モニターを装着する
  3. 心電図を判読して除細動の適応であることを確認する
  4. パドルを本体から取り出してパドルに除細動用のゼリーをつける
  5. 右鎖骨下,左腋5〜8cmにそれぞれ当てる
  6. J数を設定し充電を行う
  7. 周囲の安全、自身の安全、酸素など電気によって引火するものがないかを確認する
  8. 最終波形を確認しショックの必要性を再確認する
  9. 充電完了後ショックボタンを押してショックを行う
  10. 速やかに胸骨圧迫を再開する

パッド式除細動とパドル式除細動の違い

DCによる除細動にはパッドとパドル、2種類の方法がありますが、除細動の効果として違いはありません。そのため、除細動の効果としてはどちらでも可能ですが、パッド誘導の場合は最初にパッドを貼付することで2回目以降の実施が容易になります。

実施にかける人数が少なくなる点や空中放電の危険性が少なくなることから、パッドの方がメリットが大きいとされています。また、パッド式の除細動における大きなメリットとしてCCF(胸骨圧迫比率)にも繋がります。

パドル式の除細動の場合は、空中放電などのリスクからパドルを体に当てて充電を行うことを推奨しています。そのため、パドルを当てた時点で胸骨圧迫は中断されるため胸骨圧迫の中断時間は短くなります。

対してパッド式除細動では一度貼付することで、波形確認後から最終波形の確認直前まで胸骨圧迫を中断することなく除細動を実施することが可能です。

そのため、医師がいる場合であっても近年ではパッドによる除細動を推奨・実施している施設や病院が増加しています。

パドルでの除細動を優先する状況

基本的にパッドでの除細動を推奨しますが、シチュエーションによってはパドルを選択する場面もあります。

  • パッドを一度剥がしてしまった
  • パッドの在庫切れ
  • パッド貼付よりパドルの方が早期に除細動を実施できる場合
  • 心臓への直接的な除細動(開胸時)を実施する場合

これらの場合はパドルでの除細動になります。DCのパッドは使い切りの消耗品であるため、貼り直しなどは粘着力の低下から効果が発揮されない可能性もあるため避けた方が望ましいです。

除細動の到着より先にモニターが貼付されており波形がわかっている状態などであれば、パッドを貼付する時間をかけるよりパドルで早期に除細動を実施する方が早いことも多いです。

特に除細動が必要な症例であれば、できるだけ早期に除細動を実施する必要があるため初回の除細動のみパドルで実施するという選択も考えられます。開胸時の除細動の場合はパドルではありますが、専用のパドルを用いるためそういった状況が考えられる場所では事前の準備が必要です。

DC(直流除細動器)の有用性

AEDはシンプルかつオートマティックで使いやすいですが、心停止の症例であっても全てがAEDでまかなえるわけではありません。DCを使うことでより、状況に合わせた除細動を実施することが可能です。

DC (除細動器)はエネルギー量(出力)の増加が可能

DC(除細動器)はOFFの状態からAEDモード、それ以上にダイアルを回すとエネルギー量(J)の設定が可能になります。エネルギー量(J)は二相性であれば150〜180Jが多いですが、機械によって適正初回エネルギー量は異なるため、適正エネルギー量が分かるように目印が付いています。

AEDの場合はJ数の調整は困難ですが、適正なエネルギー量の設定が初回からされています。同じ出力であればAEDであってもDCであっても同等の効果が得られますが、エネルギー量の変更が可能なのはDCのみになります。

製造業者の推奨値(初回エネルギー量 120~200J)。
不明な場合は最大値に設定する。2回目以降のエネルギー量は初回と同等とし,エネルギー量の増加を考慮してもよい

AHA ガイドライン2020

AHAでは除細動においてエネルギー量の増加を考慮可能としています。2020年のガイドラインで記載されており、2025年のAHAガイドラインでも大きな変更はありませんでした。

また、エネルギー量の増加として二重ベクトル除細動(除細動を2つ同時に実施する)も検討内容として挙げられますが、2025年のAHAガイドラインでも二重ベクトル除細動の有用性は確立されていないです。

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難治性の心室頻拍などではエネルギー量の変更も考慮するため、除細動を準備するメリットが見られます。

小児における除細動

小児における除細動はAEDであっても、DCであってもどちらでも可能です。AEDの場合は小児用のパッドがあり、DCの場合は小児用のパッドまたはパドルがあります。

または、モードを小児用に切り替えられるAEDもあるためその場合にはパッドの変更は不要です。AEDの適応は1歳以上のため、1歳以下の心停止は適応外となっていますが、1歳以下の心停止の原因は基本的に乳幼児突然死症候群、窒息などを含めて心因性以外のものが大多数です。

不整脈などに起因する心停止となる可能性は極めて低いため、除細動の非適応として除細動以外の原因検索やCPRなどに重きを置く方が良いとされています。

小児の心停止であれば小児用のモードなどで対応可能ではありますが、小児の範囲は極めて広いです。年齢のみでなく発育状況によっても本来は選択するべきであり、そういった視点で言えば体重などでエネルギー量を設定できるDCに利点があると言えます。

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小児の除細動における基本エネルギー量は4J/kgです。また、小児用のパッドがない場合には、成人用のパッドを使用することは許容されています。

CCF(胸骨圧迫比率)への影響

DCとAEDでは除細動の効果としては同様ですが、胸骨圧迫の中断時間に差が出る可能性が高いです。除細動はパッドないしパドルであっても準備している間は胸骨圧迫が可能です。対してAEDの原則は音声に従うことであり、波形確認を実施してからショックの実施まで胸骨圧迫が中断されます。

特にAEDはオートで波形を確認するため胸骨圧迫の揺れなどを心電図の波形と誤認識し、除細動の適応と誤って判断してしまう可能性もあるため注意が必要です。医療従事者であればショック後、早期に胸骨圧迫を再開することは可能です。

胸骨圧迫は蘇生において血液を循環させる心臓の代わりになるため、中断時間は少しでも短いことが望まれます。CCF(胸骨圧迫比率)は80%以上を目標とすることが推奨されており、中断時間短縮の観点から考えると、DC(特にパッド式における除細動)を使用する方が良いと言えます。

まとめ

心停止におけるDCとAEDの効果は同じですが、除細動を実施するまでの過程や、対応方法のバリエーションを増やしたい場合には除細動が必要となります。心停止において、DCとしての効果を発揮できる場面は少ないですが、だからこそ必要な場面で適切に使えるように知識を身につけておくことをオススメします。

また、今回は心停止に限定したAEDとDCの特徴を紹介しましたが、DCには心停止以外にも頻脈性不整脈における同期電気ショックや、徐脈におけるペーシングなどの機能も搭載しています。

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機能をうまく使いこなして、急変時の対応力向上を一緒に目指しましょう!

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