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本記事では眼科手術の中でも硝子体手術の適応となる疾患について、解剖を踏まえて紹介していきます。眼科手術に入る前や復習としてご参考ください。
様々な病院で行われる手術ですが、大まかな方法は決まっているものの、詳細な手順や使用する資機材は病院や手術する医師によって様々です。そのため、あまり参考書以外では詳細部分まで知ることが難しい現状があります。
今回は手術室看護師として実際に行った眼科手術の前段階として、硝子体手術の適応となる疾患と術式を紹介していきます。
水晶体手術の原因は白内障が大多数を占めますが、硝子体手術においては原因疾患が複数あります。硝子体手術であっても、原因疾患によって術式が異なってくる部分もあるため紹介していきます。
手術室看護師や手術看護に携わる職種、手術を受けられる人などが少しでも手術に対してイメージがつき、少しでも安心して手術を実施できることを目的としています。
眼科の解剖と麻酔については以下の記事をご参照ください▼
- 手術は施設によって方法や手術時間が大きく異なりますので、あくまで参考として紹介しています
- 手術の方法などは医療の進歩に伴い変わっていくことが多いです。可能な範囲で訂正はしていきますが、変更できていない場合はご了承ください。
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硝子体の基本

- 硝子体は眼球容積の8割を占める
- 無色透明なゼリー状物質
- 硝子体の99%は水分、残りはヒアルロン酸とコラーゲンなどで構成
- 眼球壁を内側から支えて眼球の形を保持する役割などがある
- 網膜や水晶体の代謝にも関与している

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硝子体の大半は水分であるため、代用としてBSSと使用することが多いです。また、ヒアルロン酸は薬剤としてあるため眼科の手術では比較的使用頻度が高いです。
硝子体関連の疾患

硝子体手術の適応となる疾患は主に以下のようなものがあります。
- 硝子体混濁
- ブドウ膜炎
- 網膜剥離
- 黄斑円孔
- 黄斑前膜
硝子体混濁
- 網膜に炎症や出血を起こすと、透明な硝子体中に拡散し混濁をきたす疾患
- 混濁により視力低下などの症状が見られる

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硝子体の混濁による視力低下のため、硝子体内の濁った水分を吸引した後、BSSと言われる眼科用の水分、ヒアルロン酸を注入し置換します。出血部分はレーザー照射で眼内凝固を実施します。
網膜剥離
- 硝子体が収縮した際に網膜を牽引することで、内壁から剥がれ網膜剥離に繋がる
- 網膜剥離の大多数は網膜裂孔によるもの
- 網膜剥離に伴い視野障害や疼痛を伴う

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網膜剥離は硝子体にガスを注入し硝子体を膨張させることで剥離した網膜を修復します。剥離した部分に裂孔や出血が見られる場合には、レーザー照射することで眼内凝固を行います。
黄斑円孔
- 黄斑部に付着した硝子体組織の一部が膜を形成し黄斑前膜を生じる
- 黄斑前膜によって黄斑部に牽引がかかることで円孔をきたす

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黄斑円孔は円孔部分が牽引されることによって発症されるため、硝子体にガスを置換し膨張させることで牽引を防ぎます。
ブドウ膜炎
- サルコイドーシス、Vogt-小柳—原田病、ベーチェット病等の自己免疫性疾患や、感染症、腫瘍性疾患などを基礎疾患とし発症する炎症
- 併発として白内障や続発緑内障、 硝子体混濁、黄斑上膜などを引き起こす

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ブドウ膜炎は多岐疾患を併発するため、白内障と硝子体混濁、黄斑上膜をまとめて治療することが多いです。術式もそれぞれの術式を組み合わせてものになります。
網膜前膜(黄斑上膜)

- 加齢変化に伴い硝子体が線維性混濁を起こす
- その後網膜の前に薄い膜(網膜前膜)が残り、時間経過によって網膜前膜が収縮すると網膜も一緒に歪み視野障害を引き起こす
- 穴が空いた場合には黄斑円孔に移行する

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硝子体の繊維性混濁に対しては水分やヒアルロン酸を注入し硝子体を置換します。網膜前膜の収縮に対しては、ガスで硝子体を膨張させることで網膜に癒着させます。裂孔などが見られる場合にはレーザー照射にて、眼内凝固を行います。
まとめ
- 硝子体手術の原因は複数ある
- 基本の流れは同じであるが、疾患によって術式が異なるため注意
手術看護は専門領域かつ施設によって手技や資機材も異なるため経験が必要になります。しかし、手術の前の事前学習や疾患に対する手術方法などを熟知しておくと、臨機応変に対応が可能です。
白内障手術の手順はこちら▼



