【救急看護】 意識障害におけるAIUEOTIPSの使い方

救急/急変/災害/
この記事は約5分で読めます。

導入

ER<br> Nurse
ER
Nurse

本日は意識障害の評価であるAIUEOTIPS(アイウエオティップス)についてご紹介します

AIUEOTIPS(アイウエオティップス)とは意識障害の原因検索の際に用いられる語呂であり、臨床に出れば耳にしたことある方が多いと思います

意識障害の鑑別方法としては定番で、看護師だけでなく医師においても良く使う鑑別方法になります

突然の意識障害や急変による意識レベルの低下などが起きたどのような原因が挙げられるか、AIUEOTIPS(アイウエオティップス)を参考にお伝えしていきます

本日の内容

  • AIUEOTIPS(アイウエオティップス)とは
  • AIUEOTIPS(アイウエオティップス)の使い方

この2つを参考資料とともに紐解いていきます

参考資料

f:id:ER-Nurse-k:20210625234805j:plain

※現在在庫ないためURLのみ貼付↓

月刊ナーシング 2020年 05月号 [雑誌]
学研プラス | 2020年04月20日発売

AIUEOTIPS(アイウエオティップス)とは

AIUEOTIPSを私が知ったのは臨床に入ってすぐに開催された勉強会でした

看護学生の時は聞いたこともなく(勉強不足です)、初めて聞いた印象はポテトチップスに名前が似ているので印象に残っていました

その後、意識障害で搬送された患者さんを受け持った際に、医師が研修医に対して『意識障害の鑑別方法』を聞きました

研修医が『AIUEOTIPS』と答えて、AIUEOTIPSを基に医師達が意識障害を鑑別していたのを見て、医師でも参考にする、とても実用的なものであることを実感しました

意識障害を原因を幅広い誘引から判断し、原因の見逃しを減らす面でもとても重要で私も意識して救命対応に努めています

AIUEOTIPSの内容

  • Alcohol アルコール
  • Insulin インスリン
  • Uremia 尿毒症
  • Encephalopathy.Endocrinopathy.Electrolytes 脳症.内分泌障害.電解質異常
  • overdose.O2 薬物中毒.低酸素
  • Trauma.Temperature 外傷.低/高体温
  • Infection 感染症
  • Psychogenic 精神疾患
  • Seizure.Shock.Stroke てんかん.ショック.脳卒中

AIUEOTIPSはとても幅広く鑑別を行うことができる反面、覚えるのに一苦労ですね

日常的に活用する場合は自然と覚えてくると思いますが、病棟で急変時にAIUEOTIPSが咄嗟に全項目出てくる人はいないと思います

その為、AIUEOTIPSの簡単な使い方を紹介します

AIUEOTIPSの内容はコピーしてメモ帳に入れておくととても便利です

意識障害の対応

先ほども言いましたが、意識障害の鑑別としてAIUEOTIPSはとても有意的ですが、幅が非常に広いです

外傷や麻痺を伴う意識障害などはAIUEOTIPSに当てはめなくても積極的に疑う疾患が見えてくる場合もありますよね

その為、臨床で突然の意識障害に遭遇した場合、対応は以下の順番で行うのがBestです

  • 意識障害の評価
  • DONT
  • CT
  • AIUEOTIPS

①意識障害の評価

元々の意識レベルに対して現在の意識レベルはどの程度下がっているのか、また、今後意識障害が進行していくかどうかを図る為にも意識障害の程度は確認しておくと良いです

よく使われるスケールとして『JCS』『GCS』があります

JCSはとても使い勝手が良い反面、開眼していると全て1桁となる為、発語の程度など細部が分かりにくい側面もあります

状況に応じてJCSとGCSは使い分けると便利です

意識障害と同時にVSも簡易的に取っておきましょう

瞳孔初見、ショック、不整脈などVSでおおよその予想がつく意識障害も多くあります

全身の観察が大まかに終われば次のStepです

②Do DONT

DONTとは意識障害に対する対応策を表す頭文字です

  • Dextrose ブドウ糖
  • Oxygen 酸素
  • Naloxon ナロキソン(麻薬拮抗薬)
  • Thiamin ビタミンB1

『低血糖』『低酸素血症』、ビタミンB1欠乏で起こる『ウェルニッケ脳症』などは遷延すると後遺症を残す為、早期に対応が必要です

特に血糖や酸素飽和度に関しては直ぐに測れる為、測定結果に合わせて血糖補正や酸素投与を行うことで、意識障害に早くアプローチできます

ナロキソンは必要に応じて行います

補正の必要がない場合や補正後も意識障害が改善しない場合は他の原因を模索する必要があります

③CTで鑑別

CTが24時間対応している病院ではCTにおける鑑別がより正確です

その為、全身状態が安定していれば早期にCT撮影に行きます

全身状態が不安定な場合や直ぐにCTに行けない場合は先にAIUEOTIPSで原因を模索すると良いです

CTは明らかな原因が判断できない場合は頭部・胸部・腹部・骨盤まで撮影することが多いです

CTでも明らかな原因が分からない場合に登場するのがAIUEOTIPSです

④AIUEOTIPSによる見逃し防止

CTでも明らかな原因が見つからない場合はAIUEOTIPSで鑑別を行います

Uremia(尿毒症)やAlcohol、Infection(感染)などCTで網羅できないこともある為、血液培養検査や尿検査など、その他の検査で原因検索をします

まとめ

意識障害のアプローチ

  • 意識障害の評価
  • DONT
  • CT
  • AIUEOTIPS

この順番とDONTを覚えておくと安心して意識障害の対応ができます

おまけ 月刊ナーシングのご紹介

f:id:ER-Nurse-k:20210625234805j:plain

月刊ナーシング ver2021.5の内容を紹介します

内容

  • 2 年目ナースのための「臨床知」ブラッシュアップ講座
  • 看護師として知っておきたい2020年診療報酬改定のキーポイント
  • 皮膚のアセスメント・ケアのすべてが1日でわかる!
  • 看護に役立つトレンドを知る

5月号の内容は主に会話形式で記載されています

AIUEOTIPSも含め基礎的な内容が大部分で、2年目ナースや学生や新人看護師を対象としている内容でした

  • 診療報酬の改定でB項目の中止
  • 救急搬送の加算
  • 便秘の薬物治療など

個人的にはこの辺りの内容がとても興味深かったです

少し細かい事ですが病院で働く以上大切な知識なのでぜひ見てみてください

インスタでも医療情報を公開中📚

URLをクリック↓

ブラウザーをアップデートしてください
タイトルとURLをコピーしました