Nurse
今回はエコーの基本的な当て方について、紹介していきます
実際にエコーを看護師が使う際、エコーのプローブを当てる場所だけでなく、プローブの向きや画面の見方などわからないことが多くあると思います
そのため、実際に行う際に気をつけるポイントをまとめて紹介します
エコーの基礎はこちら
参考資料
ナースのためのポケットエコー実践ガイド
看護師を対象に臨床で使えるエコーの活用方法を紹介しています
一般的な看護師のエコーに関する参考書では、静脈路確保や褥瘡に重きを置いていることが多いです
しかし、この本は症状に対してエコーで分かるものを看護師ができる方法で提示しています
ポケットエコーを基本としているため、エコーのマニュアル操作などは細かく書かれていませんが、看護師が応急的に行う程度のエコーであればこの1冊で十分に対応できます
エコープローブの当て方
エコー検査を実践するにあたって大切なことはプローブを当てる位置と方向です
体幹を分割して考える
エコープローブを当てる際に大切なことは体幹を分けて考えることです
盲目的にプローブを当てるのではなく、症状の部位が体幹においてどの部分かを考え、その部位にあった位置に当てることが重要です
体幹の分割は左右乳頭線と正中線で縦に分割、乳頭線と肋骨弓下線、腸骨上縁線で横に分割した6分割で考えていきます
4区分法と9区分法
- 腹部の診察で用いられる4区分法や9区分法は腹部の触診や打診などを行う際の体表区分
- エコー検査を行う際のプローブを当てる指標とは異なるため注意が必要
体幹を6分割した架空線を目安として、線上や交点からプローブを当てることで素早く目的の臓器を見つけることができます
プローブの方向
プローブは種類によって形も異なりますが、角度によって見える範囲が異なります
プローブを垂直で当てると直下の範囲は観察できますが、死角もあるため観察できる範囲は限定されます
対して、斜めにプローブを当てることで、垂直に当てる際には見ることができなかった部分も観察可能です
心エコーなど直下では肋間に阻まれ、画像の描出困難な時には積極的に用いられます
プローブの当て方と画像の見方
プローブは前後の形は基本的に同じですが、プローブを体表に当てる際には向きがあるので注意が必要です
- 体幹の正中に対して横向きに当てる時は、プローブの右側が画像の右側に一致するよう当てる
- 体幹の正中に対して縦向きに当たる時は、プローブの右側が画像の足側に一致するよう当てる
プローブを触った際に画像の揺れを確認することで、プローブがどちらを向いているのかが分かります
注意事項として頸動脈の観察のみ例外でエコーの右側が頭側に来るようにエコーを当てます
まとめ
Nurse
ここまで分かれば、エコー検査の基礎は完了です。エコーの向き、方向を意識しながら、見たい部分に焦点を当てることで描出することができます
エコーは臓器にエコーを当てれば画像が明瞭に描写される訳ではありません
立体的な人体の構造では骨による影響や体の角度、臓器の重なりなどで見えないことが多くあります
そのため、影響を受けにくい角度や向きを意識してプローブを当てることでより、患者への負担も少なく、鮮明な画像を描出することができます