導入
救急外来の看護師になるためにはどんな勉強をしたら良いですか?
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救急外来では主に疾患の勉強と合わせて症状別に勉強を進めていきます
看護師としてスキルアップを目指すなら自己学習は避けて通れない道だと思います
その中でも救急外来の看護師としてオススメの勉強方法について紹介していきます
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救急外来の勉強
救急外来でスキルアップするために行う勉強として疾患別看護と症状別看護の2つに分かれます
疾患別疾患では救急外来で治療することの多い疾患を勉強会などを中心に学んでいき、症状別看護は課題や自己学習として進めていくことが多いです
特に大切になるのが症状別看護です
救急外来では電話や来院時の主訴、バイタルサイン(VS)を基に疾患を予測して検査や治療を組み立てます
看護師として症状から起こりうる疾患を予測することで、円滑な受け入れ準備や治療に繋がります
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病棟は診断→症状の流れなので、救急外来とは逆になりますね
今回の記事では学習するべき具体的な疾患や症状について説明していきます
疾患別看護
病棟であればそれぞれの主科に対する勉強を行うと思いますが、救急外来では受診する割合の高い疾患を学びます
疾患別看護の疾患一覧
- 消化管出血.消化管穿孔.腸閉塞
- 脳卒中
- 薬物中毒
- ACS(急性冠症候群).心不全
- 熱傷
- 敗血症
- 肺炎.喘息
- 熱傷
- 骨折.脊髄損傷
上記疾患の看護及び病態生理について勉強します
救急外来の看護師として疾患別看護を行う上でのポイントをいくつかお伝えします
- 診断に至るまでの検査、初期治療も重点的に学習する
- 他の疾患と症状の違いを意識して学習する
- 処置の準備物品や介助方法を学習する
救急外来の役割は来院してから初期治療を終えるまでです
急性心筋梗塞を例にすると、胸痛等を主訴に受診してから心臓カテーテルによる治療までになります
救急外来では上記の流れを30分程度を目安に行います
特に急性心筋梗塞では、治療までの時間が重要になるため搬送から治療までの時間をできるだけ短時間で行います
疾患別看護の過程で出てくる処置等については物品の準備も行えるようにします
熱傷による気管切開や気胸による胸腔ドレーンの挿入、創傷処置など救急外来で行う処置は多くあります
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準備物品に関してはメモを作ることをオススメします
症状別看護
救急外来では疾患別看護と別に症状別看護を勉強していきます
症状別看護の症状一覧
- 頭痛
- 眩暈
- 意識障害
- 痙攣
- 動悸
- 胸痛
- 腰背部痛
- 呼吸困難
- 喀血
- 体温異常
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 吐血
- 下血
- 脱水
症状別看護ではその症状を主訴として来院した際に、どのような疾患が考えられるかその他の症状と併せて勉強していきます
また、症状別看護を行う事で電話対応した際に確認するべき症状なども分かるようになってきます
どの症状でも共通して注意する点としてはABCDの評価を怠らないことです
下血などの症状があった際、下血に目をいきますがまずはABCDを適切に評価し、全身状態の安定を図ります
特に下血であれば出血に伴い血圧の低下なども見られる事が多いので、初療では補液等で血圧を上昇させることも重要となります
症状別看護を用いた電話対応
もしもし、胸が痛くて連絡したのですが、受診してもよろしいでしょうか?
胸痛を主訴に電話をしてきた場合、疑うべき疾患としてACS(急性冠症候群)やAAD(急性大動脈解離)などがあります
冠動脈疾患や脳卒中は治療までの時間で予後が大きく変わるため、早期に判断し対応する事が望ましいです
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左胸(心臓のあたり)の強い痛みでしたら、救急車を呼んで救急隊の判断で病院に搬送して頂いて下さい
痛みが自制内の態度である場合には、以下のような項目を確認して疾患を予測します
- 年齢と性別(好発疾患を予測)
- 既往歴(循環器疾患)
- 痛みの部位と種類(絞扼感.鈍痛)
- 圧痛の有無
- 呼吸苦.冷汗の有無
鑑別の為には上記のような内容を聴取していきます
既往歴に心疾患や高血圧.糖尿病があればACSのリスクファクターとなりますし、AAD(急性大動脈解離)による胸痛であれば痛みは激しく、胸部から腹部にかけてくる事があります
また、ACSでは一般的に圧痛は見られない為、圧痛がある場合には肋骨骨折などの整形疾患を疑っていきます
また、痛みが右の胸部であったり、若年痩せ型男性であれば気胸の可能性も視野に入れるべきです
このようにして胸痛という症状から、考え得る疾患を予測し追加で情報収集を行います
※例外もあるのであくまで予測で電話対応して下さい
まとめ
症状別看護はあまり馴染みの少ない勉強方法ではあると思いますが、知識を身につけていくことで急変の症状に対しても対応がスムーズになります
勉強する上で大切なことは双方の勉強が最終的に交わることです
疾患別看護の終着点はそれぞれの疾患の症状であり、症状別看護の終着点はその症状が出現する疾患になります
症状と疾患を適切に結びつけることで勉強効率も向上し、更に良い看護に繋がると思います