導入
Nurse
本記事ではICLS指導者養成ワークショップ(WS)とインストラクターにPickupして解説していきます
本記事の内容
- ICLSインストラクターまでの道のり
- 指導者養成ワークショップ(WS)
- ICLSインストラクターの内容
Nurse
Instagramで紹介した内容についても今回おまけとして触れていきます
- TPPは貴方を絶対助けます!
- 山の山頂へファシリテート
この言葉の意味と回答は本記事の最後に掲載しているのでご確認ください
ICLSのインストラクターを取得した実体験も交えてインストラクターの魅力なども話していきたいと思います
ICLSホームページはこちら↓
ICLSとは
ICLSとはImmediate Cardiac Life Supportの略でアメリカ心臓協会(AHA)が開発したACLS(二次救命処置)コースを日本で普遍化したものです
ACLSよりさまざまな医療従事者を対象にしているため、シンプルで分かりやすくまとまっています
それに伴い受講期間も1日、受講費用もACLSと比べると低く設定しているのも魅力です
ICLSの目的は突然の心停止に対する最初の10分間の適切なチーム蘇生を習得することとなっており、簡略化すると心停止に対して病院で行える処置を学ぶこととなります
具体的な内容としては、BLS(一次救命処置)に加え病院で行う医療的処置が加わってきます
そのため、救急外来での心停止の対応のみでなく、病棟における患者の急変を発見した場合などさまざまな場所で役に立ちます
1日の大まかな流れは図1の通りです
※下記内容についてはInstagramでも紹介しています
- ICLSとは/ICLSの申し込み方法
- ALS/BLS
- 2020ガイドラインの変更点
- ICLSインストラクターの申し込み方法
参考資料
ICLSと言えば定番のガイドブックです
基本的に5年ごとのガイドライン更新とともに改定されることが多いです
ガイドラインはJRCのガイドラインに則って作成されています
私は院内開催で参加しましたが、ワークショップのガイドブック購入費込みで受講費用を払いました
その為、ICLS受講する際はガイドブックの準備が事前に必要か確認してから参加すると良いと思います
こちらは、ICLSの指導者ガイドブックでインストラクター向けの参考書です
内容はICLS指導者養成ワークショップについての内容と、学びの場(教え方)などが記載されています
こちらに関しては指導者養成ワークショップの際に持参が必須の所と推奨しているところがあるので、必ずしも買う必要はないです
(私も一読しましたが購入はしませんでした)
指導者養成ワークショップのインストラクターを目指す場合には購入しても良いと思います
ICLSインストラクター
ICLSインストラクターとは
ICLSの指導者をICLSインストラクターと言います
日本救急医学会の条件に基づき認定資格を得るとインストラクターとしてICLSに参加することができます
ICLSインストラクターになるまでの道のり
ICLSを受講後、インストラクターになるためには2つの課題があります
それは、
- アシスタントインストラクターとしてインストラクションを行うこと
- 指導者養成ワークショップに参加すること
この2つが達成されることが最低条件です
インストラクションは、『BLS』『気道確保』『モニター』を経験することが必須条件です
つまり、ICLSの終盤に行われるシナリオステーション(シナリオを元にICLSを行うこと)でのインストラクションは含まれていません
それらの項目を達成しワークショップを終えると申請することができます
ICLS指導者養成ワークショップ
ICLS指導者養成ワークショップ(WS)とは
指導者養成ワークショップは指導者養成ワークショップインストラクターが開催する講習です
指導者を教える指導者であり内容も分かりやすく実践型の講習でした
ICLS指導者養成ワークショップ(WS)内容
数多くあったので、pickupして以下の2つを紹介します
- 商品の説明
- 様々な受講者に対する指導と評価
※その他に講義、準備や片付け等を行いました
商品の説明
講義の後最初に行ったのが商品の説明でした
ラクター
ここにあるものから好きなものを手に取って他のメンバーに3分間で説明して下さい。
机の上には口臭スプレーやターニケットなど様々なものが置いてあります
バイダー
えーっと、そしたら説明しやすい口臭スプレーにします
私であれば1番説明しやすい口臭スプレーの説明を行います
口臭スプレーの値段や口臭スプレーの内容・効能、医療の現場で使うかなど3分間で知っている知識を一生懸命伝えます
指導者養成ワークショップではこれに似た課題を出されましたが、この課題のPointは3つあります
- 自分が知ってる知識で説明できるもの
- 誰が何について説明するかを話していること
- 体験型の説明であるか
まずは説明内容の選択ですが、インストラクションを行う上で知識がなければ説明できません
もし、万が一自分の知らない事や複雑な事を聞かれた場合には、とても良い質問ととても質問ですね。皆さんで共有したいので、後ほど説明します。と言うように、その場で推測や持論で話さず、一度持ち帰って確認すると良いそうです
次に、3分と言う短い時間ですが話したい事が多くある場合にも自己紹介を忘れてはいけません
ICLSに参加する人もある程度事前学習を済ませ、ICLSを受講しに来てはいますが、具体的にこれからどんなことをするか分からない場合もあります
その為、『自己紹介』及び『これから口臭スプレーの説明をする』ことを必ず伝えてから行う事が大切です
最後に、体験型の説明ですが、体験型の説明は記憶に残りやすいとされています
米国国立研究所が出している『ラーニング・ピラミッド』というものがあります
数字に関しては科学的根拠はないとされていますが、『体験学習』が講義に比べ記憶により定着しやすいことは明白です
口臭スプレーであれば実際に食べてもらって、効果を感じるか体験する事で、より学びに深まります
様々な受講者に対する指導と評価
評価や指導と堅苦しい印象をイメージしますが、インストラクターになると行う場面が出てきます
指導者養成ワークショップでは様々な受講者に対してどのように指導を行うかを考えました
- ICLS受講経験がある際受講者
- 受講経験ないが自身のある受講者
- 自身のない受講者
- 師長クラスのベテラン受講者
大切なことは『正解はない』ということです
指導者養成ワークショップでは、それぞれ話し合いより良い指導の方法を模索しましたが、『間違った指導』という考え方はしません
指導者の特色や相手に合わせた声かけを楽しみながら考える良い機会となりました
まとめ
様々な受講者に合わせて指導の仕方を考え、経験し、より良い指導方法を探していく重要性を学ぶ事ができました
ICLSのインストラクターを目指したきっかけは救急外来の看護師としてまだまだ未熟な部分が多いので、指導を通じて教え、教わり自己研鑽できればいいと思いました
まだまだ、指導者としては始動したばかりですが、ICLSインストラクターを経て少しでも成長したいと思っています
おまけ
TTPは貴方を絶対助けます
『TPPは貴方を助けるか』
『TTPは貴方を絶対助けます』
TPPは『環太平洋連携協定』の略称です
TPPは医療においては貿易自由化に伴い、海外のデバイスが日本に入る点や医療の市場化等、賛否両論出ています
対してTTPは『徹底的にパクる』の略称だそうです
指導を行う上で良いと思うことを『徹底的にパクる』、その上で、自分なりに考え改良し自分のものにすることで更に良い指導に繋がるという話でした
TPPはなかなか難しい話ですが、TTPなら簡単に覚え実践できそうですね
『山の頂上へファシリテート』
○か×か
①登り方を教える
②手にとって登り方を教える
③一緒に登る
④おんぶして登る
⑤ヘリコプターで頂上まで連れていく
⑥頂上から写真を撮って見せる
指導者養成ワークショップの中で多かった解答としては
- ①-③→○
- ④ →○or×
- ⑤-⑥→×が多かったです
これに関しての回答は全て○です
大切なことは『対象に合わせる』ことです
登山者にも様々な人がいます
- ベテランの方や登山初心者
- 足腰が悪いが、どうしても山頂に行きたい人
- 動けないが山頂まで登りたい人
- 病院から出れないけどどうしても最後に山頂の景色が見たい人
あらゆる人に合わせてファシリテート(舵取り)し、希望を叶えることが指導では大切になります
Q&A
Q.コースディレクターの推薦とは
- ICLSを開催する為にはコースの統率を取るコースディレクターが必要です
- ICLSのプレインストラクションおよびワークショップ終了後、コースディレクターが推薦があることでICLSのインストラクターになれます
- 基本的にプレインストラクションを行ったICLSのコースディレクターから推薦をもらいます
Q.アシスタントやるには一箇所のみという様な決まりはあるか
- 特にそういった決まりはありません
- しかし、インストラクターになるには、全てのブースを1人である程度できることを認めた上での推薦になります
- コースディレクターの推薦をもらうためには同じ開催場所で全ブースのインストラクションを行うことが自然と必要にはなってくる
- インストラクションを行なっていたとしても、別の開催場所の場合はコースディレクターの推薦を得ることは難しい可能性が高いです
- インストラクションの練習として複数箇所参加してみるのは良いと思う。
ワークショップ受けるタイミングはいつ頃がベストか
- いつでも良いと思います
- ワークショップはICLSの精度を向上させる場所というよりは、教え方など指導を行う上で、重要なことを教えてくれる場所です
- そのため、早めに受けてプレインストラクションで活かしても良いですし、全てのブースでインストラクションを終えて最後の仕上げで受講しても良いと思います
その他、質問事項があればブログまたはInstagramでご質問頂ければ、ここにQ&Aとして回答していきます。
Instagramでも医療情報を公開中
URLをクリック↓