【外傷看護】JNTEC完全攻略 取得までの流れと学習内容

救急/急変/災害/
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2021年7月にICLSのインストラクターを取得し、現在はJNTEC取得に目指して学びを深めています

JNTECの学習に伴い、覚えておきたい事をメモとして記事に残したいと思います

JNTECのウェブでの動画講義の後に行われるプレテスト出題範囲でもあるので、JNTECを今後受講する人や外傷看護に興味のある人の、参考にもなればと思います

基本の内容はJNTECの参考資料に沿って掲載しています

JPTECに関する記事はこちら

参考資料

ガイドラインの背面ページに記載されている番号でJNTEC受講可能です

JNTEC受講の流れ

JNTECとは外傷初期看護の事で、Japan Nursing for Trauma Evaluation & Careの頭文字をとった用語になります

JNTEC取得までは以下の流れです↓

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  • 受講には外傷初期看護ガイドラインの終盤に貼付されているシリアルナンバーが必須
  • e-Learning:130項目程度
  • e-Learningは1-5分程度の講義(スライド)+解説形式
  • 動画:15項目程度
  • 確認テスト:各項目ごと
    5問中4問正解で達成

外傷基礎

外傷死亡のピーク

  • 外傷死亡の3つのピークは受傷直後に即死または数分で死亡する郡.呼吸障害や出血が原因で2〜3時間で死亡する郡.敗血症や多臓器不全によって数日から2〜3週間後に死亡する郡に分けられる
  • 日本における予測外の外傷死亡症例は52%

ABCDEFアプローチ

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Survey/サーベイ

  • 外傷初期診療における評価
  • 3段階に分けられる
  • ①Primary survey:生命維持を優先するために行う生理学的評価
  • ②Secondary survey:全身の損傷検索を含む解剖学的評価
  • 頭部→胸部→腹部→骨盤→尿道→肛門→会陰→四肢→背部→神経といった順で損傷部位を検索
  • ③Tertiary(ターシャリー) survey:隠れた損傷を見逃さないための再診察
  • Tertiary surveyの観点から、大きな外傷がない場合でも受傷起点によって入院を行う場合がある
  • 主たる損傷部位の根本治療終了後に行うもの

AIS

  • Abbreviated injury scale
  • 人体の損傷を形態や重症度で分類するコード
  • AISを用いて外傷患者の解剖学的重症度の指標であるISS(injury severity score)を算出する

AMPLE

  • 患者が意識清明であれば患者からの聴取を優先
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FIXES

  • 外傷診療後に観察及び検査において見落としがないかチェック
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MIST

  • 外傷患者の受け入れ準備
  • MISTに沿って情報の報告・伝達を行う
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気道/呼吸

LEMON

気管挿管困難予測
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Evaluate 3-3-2 rule

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Mallampati classification

マランパチィ分類

  • 声を出さず舌を出して喉頭蓋と口蓋垂の位置を確認
  • classⅢ以上は気管挿管が困難と予測される
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参考文献: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/30/3/30_3_333/_pdf

3辺テーピング

  • 開放性気胸を疑う際の緊急蘇生処置
  • 実施前後の呼吸状態を観察する
  • 血液が貯留しないよう開放した一辺は下方にする
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出血/ショック

損傷部位と出血量

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MAP(内出血)

  • 出血性ショックの内、主な内出血の出血源
  • Massive hemothorax:大量血胸
  • Abdominal cavity:腹腔内出血
  • Pelvic space:後腹膜出血

初期輸液療法に対する循環の反応

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大量血胸

  • ショックとなる血胸を大量血胸と区分
  • 1000ml以上の急速な出血で循環血液量減少と胸腔内圧上昇で循環不全及び呼吸不全に陥る

血胸による開胸止血術

ドレナージ後の適応

  • 施行後、1000ml以上の血液吸引
  • 開始後1時間で、1500ml/h以上の血液吸引
  • 2〜4時間で、200ml/h以上の出血の持続
  • 持続する輸血が必要

骨盤骨折による後腹膜出血

簡易固定治療

  • シーツラッピング
  • 骨盤固定ベルト

専門的処置

  • Pelvic C-Clamp
  • 創外固定
  • 経カテーテル動脈塞栓術(TAE)/エンボリ
  • 骨盤パッキング

SHOCK&FIX-C

  • ショックへの対応
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切迫するD

Dysfunction of central nervous system

  • 切迫するDでは secondary surveyの最初にCTを優先する
  • ABCの安定後にDを確認し、切迫するDであった場合には再度確実なABCの安定化を図ることで二次的脳損傷を予防する

定義

  • 下記項目が一つでもあれば切迫するDと判断
  • ①GCS合計8点以下/JCS30以上
  • ②意識レベル低下/GCSが2以上低下
  • ③脳ヘルニア徴候を伴う意識障害
    (瞳孔不動.片麻痺.高血圧を伴う徐脈/クッシング現象)
  • 切迫するDのうちGCSが8点以下であれば原則、気管挿管を実施
  • GCSはガイドライン上.傷み刺激でなく圧迫刺激へ変更
  • 確認方法も胸骨刺激から両手指.肩甲骨.眼の上の骨を圧迫する方法に変更されている

重症化するリスクファクター

  • 高危険因子:6〜10%で手術が必要

出血素因、薬物、アルコール、脳外科手術の既往、外傷前痙攣、60歳以上、頭蓋骨骨折、神経学的異常

  • 中危険因子:1〜3%で手術が必要

GCS15&受傷直後の意識消失、健忘、嘔吐、広範囲頭痛

  • 低危険因子:GCS15&上記因子がない

意識清明とは

  • 瞬目を伴う開眼状態
  • 言葉や動きで周囲の刺激に応答可能
  • 他人と自己の区別が正確にできる
  • 持続的、合理的に認識できる

チーム医療/家族看護

チーム医療を構成する4つの要素

  • ①専門性志向
  • ②患者志向
  • ③職種構成志向
  • ④協働志向

チームマネジメントの3つの構成要素

  • ①情報の共有化
  • ②目的の共有化
  • ③相互理解と役割分担
  • 上記要素を動かすために、カンファレンス』『ケアプラン』『ファシリテーション技術』『クリティカルパスなどを利用する

重症・救急患者家族のニード

  • CNS-FACEⅡより引用
  • CNS-FACEとは重症・救急患者家族のニードをアセスメントし、評価するツールのこと
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その他一口メモ

golden hour

  • 受傷から手術や止血術等の治療までの時間が1時間以内だと生存率が上昇する
  • 根拠に乏しく現在はgolden periodと呼ばれることも多い

Sucking chest/サッキング チェスト

  • 解放性気胸に見られる創部から空気が出入りする音
  • 解放性気胸は緊張性気胸へ移行し致死的胸部外傷となり得る

PTD/preventable trauma death

  • 防ぎえた外傷死

platina time

  • 受傷から10分以内

※JNTEC取得に合わせて随時更新していきます

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