導入
Nurse
東京と九州の病院の双方を働いてみて、
違いや感じたことをお伝えします
看護師は国家資格であり、どの地域でもある程度就職先が見つかる職種ですが、地域によって特色、給料、医療水準は大きく変わります
今回の記事では東京の病院と九州の病院を徹底比較していきます
給料や福利厚生の面だけでなく、働いた上での細かな違いもピックアップしていきます
東京の病院への転勤や九州の病院への転勤を考えている方は、この記事を参考に検討してみて下さい
病院紹介
A病院 | B病院 | |
場所 | 東京(23区外) | 九州 |
開設 | 大学病院 | 公立病院 |
救急 | 三次救急指定病院 | 三次救急指定病院 |
病床 | 約600床 | 約500床 |
創設 | 約40年 | 約100年 (建替) |
heliport | あり | あり |
Dr.car | なし | あり |
病院は開設区分は違うものの、どちらも高度医療を必要とする病院であり、求められる医療も大きな差はなく病院の規模も同等です
Dr.carに関しては、僻地や病院までの搬送時間が長い地方の方が所有していることが多いです
給与・福利厚生
A病院 | B病院 | |
基本給 | 232,000 (4年目) | 226,000 (4年目) |
賞与 | 約110万 | 約100万 |
地方に行くと給与が下がると言われていましたが、経験年数を考慮されたこともあり予想より給与に差は見られませんでした
医療水準
A病院 | B病院 | |
救急車の数 | 約20台/日 | 約15台/日 |
IVR | 受け入れ | 専門病院へ |
高度な治療 | 受け入れ | 専門病院へ |
頭蓋内疾患であればC病院、循環器疾患であればD病院といったように地方の病院は機能別に病院が存在していることが多いです
また、地方では三次救急指定病院であっても、人工心肺やその他高度な治療を要する場合は更に救急に特化している三次救急指定病院に収容を依頼することが多いです
例 地方の病院の役割
医療資機材
医療機器
救急外来における医療機器や資材の比較です
また、医療機器自体が存在しても手術室のみで使用しており、救急外来で使用していない場合もなしとしています
A病院 | B病院 | |
PCPS | あり | なし |
IABO | あり | あり |
NPPV | あり | あり |
HFNC | あり | あり |
ベアハガー | あり | なし |
医療資材
A病院 | B病院 | |
ベンチュリーマスク | あり | なし |
ルートの固定 | テガダーム | マルチフィックス |
胃管の固定 | カットシルキー | クイックファックス |
膀胱留置カテーテル固定 | カットシルキー | 固定しない |
看護の質
看護の質は病院によっても地域によっても異なります
東京と地方の病院で働いてみて異なった点を幾つか一覧にしてまとめてみました
地方の病院で気になった点・特徴
A病院 | B病院 | |
清拭 | 毎日 | 適宜 |
タオル | 使い捨てタオル | 清拭タオル |
尿量測定 | 精密尿測計 | メスシリンダー |
経腸栄養 投与順 | 補水後30分あけて栄養剤投与 | 栄養剤投与後、その袋を用いて補水 |
体位変換 | 2時間毎 | 適宜(2時間毎) |
記録 | SOAP | 経時記録 |
記録量 | 多い | 少ない |
手袋 | 2重 | 1重 |
ユマニチュード | 活用 | なし |
研修 | あり | あり |
院内ラダー | あり | あり |
救急ラダー | あり | 作成中 |
その他、地方の病院で働いてみて以下のようなことも気になりました
- 針をベッドサイドへ持ち込む
- コストを節約する(ガーゼでなく極力ティッシュを使うなど)
- 体位変換の時間間隔が厳密でない(2時間毎)
- 先生が優しい(積極的に雑用も手伝ってくれる)
どちらの方が良いとは一概には言えませんが使う資源だけでなく、職場における暗黙のルールのような決まりが多くありました
研修はどちらもありましたが、院内の勉強会を開催する頻度は東京の病院の方が多かったです
まとめ
2つの病院を比較して病院が変わると仕組みや規則が大きく変わることが分かったと思います
環境を変えると、今まで当たり前のように使っていた資源や薬剤が当たり前でないことに気づくことができます
また、地方では三次救急であっても全ての救命対応ができない病院もありますし、それでも三次救急として地域のために存在しなければいけない病院もあります
看護の質や仕組みに関しては東京の方が優れている面もありますが、看護をやる上で大切なのは患者への対応です
地方の病院は医師も優しく、患者とも親密的で、カンファレンスなども綿密に行われます
東京と地方の病院を経験して大切だと思うことは常に最善の看護を考えることです
環境が変われど、看護の本質は変わらないので、最善の看護を突き詰めていけば、どこであっても質の高い看護を提供できます