【救急看護】急変時におけるニフェラカント(シンビット)の使い方

救急/急変/災害/
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導入

過去の記事ではコロナで変わる急変対応の説明などをしてきましたが、本コラムでは急変時に使う薬についての解説です

ニフェラカント(シンビット)を紹介する理由としては急変時に使う薬としては使い勝手が非常に悪いと個人的には思っています

しかし、それでもシンビットを救急カートに入れている病院が多くあります

その理由も含めて本日はシンビットについて紹介します

参考資料

ICLSコースガイドブック↓

こちらの本では急変時に使用する薬についても紹介されています

ニフェラカント(シンビット)とは

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  • ニフェラカント塩酸塩
  • 50mg

シンビットは活動電位持続時間と有効不応期を延長させることで、難治性のVTを抑えます

 
 
 
 
 
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VTのアルゴリズムでは心停止にはアドレナリンを約4-5分おきに投与し、VTが見られた場合にはDC(除細動)を行います

それでも、VTが続く場合には2分おきのDCと共に抗不整脈薬を使います

そこで、よく使われる薬剤として『ニフェラカント』と『アミオダロン』があります

アミオダロンとは

アミオダロン塩酸塩はVaughan Williams分類のクラスIIIに属する不整脈治療剤です

作用機序

  • 心筋のkチャネル遮断作用
  • Na+チ ャネル遮断作用
  • Ca2+チャネル遮断作用
  • 抗アドレナリン作用

アミオダロンは主にチャネルに作用することで効果を発揮する薬剤であり、これにより致死的な心室頻拍にも使われます

※アミオダロン添付文書より引用

救急カートにはシンビット

救急外来での使用率はアミオダロンの方が圧倒的に多いです

アミオダロンは添付文書にも記載がある通り、心停止の際の初回投与量は150mg/3ml×2Vを5%ブドウ糖20mlで希釈、または5mg/kgを5%ブドウ糖20mlに希釈して投与します

基本的に救急外来では厳密な体重換算は出来ないことや緊急性が高いため前者の2Vをブドウ糖で希釈する方法で投与することが多いです

それでも、シンビットが救急カートに入っている理由として以下の理由があります

  • バイアルのため割れにくい
  • 保存環境

アミオダロンはアンプルであり、添付文書にも記載されていますが25℃以下の温度で遮光して保存です

私の病院では夏場等温度が上がる際の保存環境も考え、冷所で保管してます

また、病棟などの救急カートに入れて移動する際に割れたら困るのでシンビットの方が破損のリスクや管理の面でも優れています

ニフェラカントの使い方

  • シンビット50mgを生食50mgで希釈し1mg/1mlとする
  • 0.3mg/kgで静脈注射

60kgの人であれば60kg×0.3=18mg/18ml

私の病院の救急カートには生食50mlと生食100mlが入っています

その内生食50mlはシンビットの希釈用です

補足ですが、生食100mlはアドレナリン用で、アドレナリンの効果を少しでも早く出す為に後押し用に準備されています

まとめ

  • 緊急時のVTに対する治療薬は『シンビット』と『アミオダロン』
  • シンビットはバイアルで保管が行いやすい為救急カートに採用されやすい
  • シンビットは0.3mg/kgで投与
  • アミオダロンは300mg +5%ブドウ糖20mlで希釈して投与

緊急時の薬は全看護師必須の知識なので、この記事を機会に急変時の蘇生薬に興味を持ってもらえると嬉しいです

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