【手術看護】CAPD(持続携行腹膜透析)カテーテルの挿入術の器械だし手順

手術手順
OPE<br>Nurse
OPE
Nurse

CAPDカテーテル挿入術の器械だしに関する手順やポイントを紹介していきます

様々な病院で行われる手術ですが、大まかな方法は決まっているものの、詳細な手順や使用する資機材は病院や手術する医師によって様々です。そのため、あまり参考書以外では詳細部分まで知ることが難しい現状があります。

今回は手術室看護師として実際に行った手術の術式や大まかな方法、手術の際に使われる器械や流れを解説していきます。

手術室看護師や手術看護に携わる職種、手術を受けられる人などが少しでも手術に対してイメージがつき、少しでも安心して手術を実施できることを目的としています。

  • 手術は施設によって方法や手術時間が大きく異なりますので、あくまで参考として紹介しています
  • 特に閉創や創部保護などは大きく異なることが多いです
  • 手術の方法などは医療の進歩に伴い変わっていくことが多いです。可能な範囲で訂正はしていきますが、変更できていない場合はご了承ください
  • 通常と異なる場合を除いて、消毒やドレーピング、準備過程における手技は割愛しています

この1冊で手術看護の基礎が分かる↓

OPE<br>Nurse
OPE
Nurse

麻酔・手術看護の全体像・手術に必要な解剖学全て分かるオススメの一冊です!

この1冊で手術看護の器械が分かる↓

OPE<br>Nurse
OPE
Nurse

手術室で使用するデバイスや器械が各手術部位毎に掲載されています。医師への渡し方なども載っているのでとてもオススメです!

CAPDカテーテル挿入術(埋没含む)

  • 腹膜透析を開始するに当たって行う透析カテーテル挿入の手術
  • 埋没をする場合としない場合があり、手順がやや異なる
  • 局所麻酔は全身麻酔を行わない場合は使用する
OPE<br>Nurse
OPE
Nurse

埋没式と通常の比較も交えて器械だし手順を紹介していきます。基本的な流れは同じですが、カテーテルなどが異なるため確認が必要です。

埋没式との比較

 CAPDカテーテル埋没式CAPDカテーテル
特徴・早期から直ぐに使用可能 ・感染や抜去などリスクも大きい・癒着が必要なため開始できるまで  2~3週間程度必要
麻酔・局所麻酔が多い・全身麻酔が多い
カテーテル・JB6・KT510-100
付属品・接続チューブ、チタニウムアダプター・CAPD用キャップ
ヘパリン・不要・要(カテーテル内の凝固を防ぐ)

埋没式の場合は体外にカテーテルの先端が出るため、癒着するのを待つ必要がないです。そのため、早期から透析を開始できることが利点となります。

CAPDカテーテル挿入術の概要

疾患慢性腎不全
体位仰臥位
手術時間1時間
出血量少量
麻酔方法局所麻酔.全身麻酔(状態に応じて)

埋没式CAPDカテーテル挿入術の方が全身麻酔を使うことが多いです。

CAPDカテーテル挿入術の手順

開創〜

ここで使用するもの

  • 円刃
  • 攝子(無鈎)
  • 電気メス
  • 筋鈎
  • メッツェン
  • ミクリッツ
  • 15号メスにて5cm皮膚切開
  • 電気メスで腹直筋前鞘まで開創
  • メッツェンで腹直筋前鞘を5cm切開しペアン6本で把持、筋鈎で術野確保
  • ペアン2本で腹直筋後鞘を把持してメッツェンで5mm切開
  • 腹膜をペアンで吊り上げメッツェンで切開。腹膜と腹直筋後鞘をミクリッツで把持
  • 必要時開創器にて開創(ヤンゼン開創器など)

カテーテル挿入

ここで使用するもの

  • CAPDカテーテル
  • シリンジ・生理食塩水
  • 針・持針器
  • CAPDカテーテルを腹腔内に挿入し生食テストし、流入と自然排液を確認した後に一度抜去
  • 腹膜と腹直筋鞘に3-0ナイロン21mmでタバコ縫合後、再度カテーテル挿入(ミクリッツを外す)
  • タバコ縫合を締めカテーテル第1カフ部分のダクロンフェルトと腹直筋後鞘に全周ナイロンをかける
  • カテーテルに生食を注入し漏れがないことを確認
  • 糸は病院によって異なるが癒着までに時間がかかることや永続的に使用するため可能な限り吸収糸は避ける

カテーテル皮下留置

ここで使用するもの

  • 円刃(15号メス)
  • 筋鈎(小)
  • タンネラー
  • 針・持針器
  • (チタニウムアダプターと接続チューブ)
  • 第2カフが通る場所を15号メスで2cm切開
  • 筋鈎(小さい)で術野確保し腹直筋前哨まで展開しペアンで把持
  • タンネラーをCAPDカテーテル先に装着し腹直筋前鞘上を通す
  • 3-0ナイロンで第2カフと腹直筋前鞘を縫合
  • カテーテルが腹壁外に出る部分に15号メスで1cm切開し同様に皮下を通す
  • カテーテルに生食注入して液漏れがないことを確認後にチタニウムアダプターと接続チューブを装着して締具で固定(※)

埋没式の場合の手順(※部分が変更)

  • カテーテルの長さ程度のところを15号メスで皮膚切開しタンネラーで皮下を通す
  • カテーテルに生食を注入し液漏れがないことを確認して、ヘパリンを2~2.5ml程度注入(すぐに使わないためヘパリンコーティング)
  • CAPDチューブキャップで栓をしてカテーテルを皮下に埋没させる

閉創

ここで使用するもの

  • 針・持針器
  • ドレッシング材
  • 腹直筋鞘と皮膚を3-0ナイロンで閉創
  • 創部をドレッシング
  • 創部が複数あるためその数に合わせてドレッシング
タイトルとURLをコピーしました