【手術看護】髄内釘(ガンマネイル)の器械だし手順

手術手順
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整形外科で行われる髄内釘の器械だしに関する手順やポイントを紹介していきます

クリニックを含め外科を扱う病院では様々な手術を日々行っています。しかし、大まかな方法は決まっているものの、詳細な手順や使用する資機材は病院や手術する医師によって異なります。

そのため、実際にどのような器械を使ってどのような手順で手術を行っているのか、詳細部分まで知ることが難しい現状があります。

今回は手術室看護師として実際に機械だしを行った手術の術式や大まかな方法、手術の際に使われる器械や流れを解説していきます。

手術室看護師や手術看護に携わる職種、手術を受けられる人などが少しでも手術に対してイメージがつき、少しでも安心して手術を実施できることを目的としています。

  • 手術は施設によって方法や手術時間が大きく異なりますので、あくまで参考として紹介しています
  • 特に閉創や創部保護などは大きく異なることが多いです
  • 手術の方法などは医療の進歩に伴い変わっていくことが多いです。可能な範囲で訂正はしていきますが、変更できていない場合はご了承ください
  • 通常と異なる場合を除いて、消毒やドレーピング、準備過程における手技は割愛しています

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麻酔・手術看護の全体像・手術に必要な解剖学全て分かるオススメの一冊です!

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手術室で使用するデバイスや器械が各手術部位毎に掲載されています。医師への渡し方なども載っているのでとてもオススメです!

髄内釘(ガンマネイル)

  • 骨の中にネイルと呼ばれる棒を入れてスクリューで固定することで骨接合を図る
  • 髄内釘の器械も複数あり、安定性など骨折の程度によって使い分ける
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今回はストライカー社のガンマ3を基にUラグスクリューを使った手順を紹介していきます。

髄内釘(ガンマネイル)の概要

疾患大腿骨転子部骨折
体位牽引体位
手術時間15〜60分
出血量少量
麻酔方法脊椎麻酔.伝達麻酔.全身麻酔

ガンマネイルは基本的にネイルとUラグスクリュー.横止め用のスクリュー1本のシンプルな構成です。不安定な骨折ではスクリュー1本だと固定が不十分なこともあるため、違う種類の髄内釘を検討します。

牽引体位は整形外科で使用されることの多い体位です。通常の仰臥位に加え、患側を牽引することで、整復された状態で骨接合を行うことができます。

髄内釘(ガンマネイル)の手順

大まかな資機材一覧は以下の通りです。加えて、皮膚を切開するためのメスや開創するための器械を準備する必要があります。

呼称などは正式名称でないものも多くあるため参考程度にしてください。

開創〜ネイル挿入

ここで使用するもの

  • 局所麻酔(シリンジ.針)
  • 尖刃
  • 筋鈎(4㎝くらい)
  • Kワイヤー(ガイドピン).ハンドピース.ピンコレット(必要時オウル)
  • コニカルリーマースリーブ(プロテクター)
  • コニカルリーマー(クラウンリーマー).ヤコブス
  • 玉つきガイドピン.ハンドル
  • ターゲットデバイス.ネイル.接続プラグ.タマネギ
  • 局所麻酔
  • 尖刃にて大転子から腸骨稜の方向へ2~3cm水平に皮切
  • 大腿筋膜から外転筋を大転子先端部直上に1~2cm展開
  • Kワイヤー(ガイドピン)をそのまま刺入部に当て穿刺部位を確認
  • オウル(骨が固い場合やロングネイルに使用)またはKワイヤー(ガイドピン)挿入
  • プロテクターで保護しながらコニカルリーマーにて骨孔作成
  • 玉つきガイドピン挿入し、玉突きガイドピンを通りネイルを挿入
  • 事前に組み立てられるものは準備しておく
  • ヤコブス→コニカルリーマー
  • ピンコレット→Kワイヤー(ガイドピン)

Uラグスクリュー挿入孔形成

ここで使用するもの

  • 局所麻酔(シリンジ.針)
  • 尖刃
  • ラグスクリュー用スリーブ(外筒.内筒)
  • ガイドピン.ハンドピース.ピンコレット
  • デプス
  • ラグスクリュー用ドリル(ステップドリル).ヤコブス
  • 局所麻酔
  • 尖刃にて皮膚切開し筋鈎で開創
  • スリーブ(外筒+鋭)挿入後、内筒を鋭から鈍へ入れ替える
  • ガイドピン挿入しデプスにて計測
  • ステップドリルの測定長を合わせリーミング
  • イメージで確認しながらUラグスクリュー径確認
  • ヤコブスはコニカルリーマー→ラグスクリュー用ドリルへ付け替え

Uラグスクリュー挿入

ここで使用するもの

  • Uラグスクリュー.セットスクリュー.Uブレード
  • ガイドピン
  • インサーター用ロッド
  • インサーター
  • セットスクリュー用ドライバー(フレキシブル)
  • Uラグエンドキャップ用ドライバー(長い)
  • Uラグスクリューをドライバーに装着
  • ガイドピン上からスリーブを通しUラグスクリューを大腿骨頭まで挿入
  • セットスクリューをドライバーに装着して固定
  • インサーター用ロッド挿入しハンドルのみ取り外す
  • ロッドをガイド下にUブレードを挿入しインサータにて固定
  • Uラグ用エンドキャップ装着
  • ドライバーの種類を要確認
  • イメージにて位置確認

横止めスクリュー挿入

ここで使用するもの

  • 局所麻酔(シリンジ.針)
  • 尖刃
  • 横止め用スリーブ
  • 横止め用ドリル.ハンドピース.ヤコブス
  • デプス
  • 横止めスクリュー
  • 横止めスクリュー用ドライバー(短い)
  • 尖刃にて皮膚切開
  • 横止め用スリーブ挿入
  • 内筒抜いてドリルにてリーミング
  • デプスで計測後、内筒をもう一本抜いて横止めスクリューにて固定

エンドキャップ/洗浄/閉創

ここで使用するもの

  • エンドキャップ
  • スーパータマネギ
  • 針・持針器
  • スーパータマネギにて接続キャップ外してエンドキャップ挿入し最終締結
  • 洗浄
  • 閉創
  • スーパータマネギでエンドキャップを締めて最終締結
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