【手術看護】頸部郭清術の器械出し手順

手術看護

はじめに

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頸部疾患に対する手術の手順をポイントを踏まえて紹介していきます

今回は手術の術式や大まかな方法のみでなく、手術の際に使われる器械や流れを解説していきます

手術室看護師や手術看護に携わる職種、手術を受けられる人などが少しでも手術に対してイメージがつき、少しでも安心して手術を実施できることを目的としています

  • 手術は施設によって方法や手術時間が大きく異なりますので、目安として参考にしてください
  • 特に閉創や創部保護などは大きく異なることが多いです
  • 手術の方法などは医療の進歩に伴い変わっていくことが多いです。可能な範囲で訂正はしていきますが、変更できていない場合はご了承ください
  • 通常と異なる場合を除いて、消毒やドレーピング、準備過程における手技は割愛しています

この一冊で手術看護の基礎が分かる↓

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麻酔・手術看護の全体像・手術に必要な解剖学全て分かるオススメの一冊です!

耳鼻咽喉科手術の基本

耳鼻咽喉科手術に共通する手術のポイントです

  • 器械は基本的に小さく先が長いものを使用(ロングモスキートぺアンなど)
  • 鼻などにも入るよう雷様の形になっている器械が多い
  • 器械を渡すときは鑷子やバイポーラなどはペンを持つ方向で渡し、ハサミなどは逆向き(上向き)で渡す

頸部郭清術

  • 頭頚部癌の頸部転移リンパ節の制御を目的として摘出する手術
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頸部郭清術は神経や血管の多い頸部を操作する手術のため、血管や神経を傷つけないよう慎重に進めていきます

頸部郭清術の概要

疾患喉頭癌
体位仰臥位
手術時間2時間
出血量100ml以下
麻酔方法全身麻酔

頸部郭清術の手順

開創〜頸部展開

ここで使用するもの

  • 皮膚ペン
  • メス(円刃).筋鈎.鑷子
  • 持針器.針糸(2-0シルクなど)
  • 皮膚ペンで切開部分をマーキング
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出血予防も兼ねて1%キシロカインE入りなどで局所麻酔をすることが多いです。

  • 円刃にて皮膚切開有鉤鑷子にて把持
  • 筋鈎で視野確保しながら電気メスにて創拡大
  • 切った部分の皮膚を展開(裏返す)した後、展開した皮膚を縫合し術野を確保する

退室時には創部付近に何箇所か針の跡が残っているため要観察

開創後〜頸部郭清

ここで使用するもの

  • 電気メス
  • バイポーラ
  • リガシュア
  • 血管テープ.シリコンテープ
  • モスキートペアン(長いもの)×2
  • メッツェン
  • バイクリル 糸のみ
  • クーパー(糸切り)
  • 電気メスで剥離し、出血部位はバイポーラで止血
  • 出血リスクのある部分はリガシュアで止血切離
  • 主要血管や神経は血管テープまたはシリコンテープなどでテーピングする

頸部郭清時の主なテーピングは動脈1本.静脈2本.神経1本が多い

  • 不要な大きい血管はモスキートペアンで前後をクランプしてメッツェンで切離
  • 切離前後のクランプした部分より手前をバイクリルの縫合糸で結紮
  • クーパーで糸を切断または把持鉗子にて糸を把持

頸部覚醒の器械出しではモスキートペアン×2→メッツェン→バイクリル縫合糸×2の流れが多い

  • 組織摘出(頸部覚醒)
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郭清した組織は医師がトリミングしてそれぞれ検体として提出することが多いです

頸部覚醒後〜閉創

  • 生理食塩水にて洗浄
  • 必要時ドレーン挿入(片側2本程度留置)
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場合によっては気管切開から永久気管口作成することもあります

  • 展開していた頸部の皮膚を戻し、皮下縫合(4-0PDS).皮膚縫合(4-0ナイロン)

頸部覚醒時に使用したガーゼ、テープ類のカウントを確実に行っておく

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