はじめに
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頭蓋内疾患に対する手術の手順をポイントを踏まえて紹介していきます
今回は手術の術式や大まかな方法のみでなく、手術の際に使われる器械や流れを解説していきます
手術室看護師や手術看護に携わる職種、手術を受けられる人などが少しでも手術に対してイメージがつき、少しでも安心して手術を実施できることを目的としています
- 手術は施設によって方法や手術時間が大きく異なりますので、目安として参考にしてください
- 特に閉創や創部保護などは大きく異なることが多いです
- 手術の方法などは医療の進歩に伴い変わっていくことが多いです。可能な範囲で訂正はしていきますが、変更できていない場合はご了承ください
- 通常と異なる場合を除いて、消毒やドレーピング、準備過程における手技は割愛しています
この一冊で手術看護の基礎が分かる↓
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麻酔・手術看護の全体像・手術に必要な解剖学全て分かるオススメの一冊です!
硬膜下血腫除去術
- 硬膜下血腫に対する治療
- 緊急手術も多い症例であり、基本的には局所麻酔で治療可能
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頭部手術では頭部の安静のためにデクスメデトミジン塩酸塩(プレゼデックス)などで鎮静をかけることが多いです。麻酔時の全身状態の変動と体動などによる安全管理にも注意が必要です。
硬膜下血腫除去術の概要
疾患 | 慢性硬膜下血腫/CSDH |
体位 | 仰臥位 |
手術時間 | 15〜30分 |
出血量 | 50ml程度 |
麻酔方法 | 局所麻酔 |
硬膜下血腫除去術の手順
局所麻酔〜開創
ここで使用するもの
- 局所麻酔(1%E入りキシロカイン)
- メス(円刃)
- 有鉤鑷子
- バイポーラ
- ラスパ
- 開創器
- 1%キシロカインE入りで局所麻酔
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E入りはエピネフリンが混ざっているため、血管収縮による止血効果が期待できます。脳外科を初め出血リスクの高い手術の麻酔で使われることが多いです
- 円刃にて切開
- 有鉤鑷子にて把持してバイポーラで必要時止血
- ラスパで骨膜を剥離
- 開創器で開創し術野を広げる
開創後〜穿頭・硬膜下血腫除去
ここで使用するもの
- パーフォレーターツイストドリル
- バイポーラ
- 鋭匙(えいひ)
- ボーンワックス(骨ろう)
- ツイストドリルにて穿頭し、鋭匙にて骨片除去
- 硬膜剥離子で硬膜剥離
- 硬膜をバイポーラで凝固した後尖刃にて硬膜を十字切開
- 吸引及び洗浄(淡血性程度になるまで)
- 出血が見られる箇所はバイポーラで止血
- 頭蓋骨からの出血にはボーンワックスにて止血
閉創
- ドレーン挿入部位を尖刃にて皮膚切開
- 術創からドレーンを挿入後、ドレーン挿入部位からペアンを入れてドレーンを把持した後に引っ張り出す
- ドレーン留置部位を縫合固定
- 出血箇所はバイポーラで止血.骨穴はスポンゼルで埋める
- バイクリルにてにて皮下を閉創後、スキンステイプラーにて皮膚閉創
- ドレーンから生食にて洗浄後、創部内の空気を抜いてドレーンバックを接続
- 頭部の縫合にはスキンステイプラーを用いることが多い
- 手術時間が短時間のため、事前に使うもの以外の器械カウントが即座に行えるように準備しておく