【手術看護】白内障手術の器械だし手順

手術手順
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白内障手術の器械だしに関する手順やポイントを紹介していきます

白内障手術は様々な病院やクリニックで行われる手術ですが、大まかな方法は決まっているものの、詳細な手順や使用する資機材は病院や手術する医師によって様々です。そのため、あまり参考書以外では詳細部分まで知ることが難しい現状があります。

今回は手術室看護師として実際に行った手術の術式や大まかな方法、手術の際に使われる器械や流れを解説していきます。

手術室看護師や手術看護に携わる職種、手術を受けられる人などが少しでも手術に対してイメージがつき、少しでも安心して手術を実施できることを目的としています。

  • 手術は施設によって方法や手術時間が大きく異なりますので、あくまで参考として紹介しています
  • 特に閉創や創部保護などは大きく異なることが多いです
  • 手術の方法などは医療の進歩に伴い変わっていくことが多いです。可能な範囲で訂正はしていきますが、変更できていない場合はご了承ください
  • 通常と異なる場合を除いて、消毒やドレーピング、準備過程における手技は割愛しています

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麻酔・手術看護の全体像・手術に必要な解剖学全て分かるオススメの一冊です!

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手術室で使用するデバイスや器械が各手術部位毎に掲載されています。医師への渡し方なども載っているのでとてもオススメです!

白内障手術

  • 白内障とは水晶体と呼ばれる角膜の中にあるレンズが濁る疾患
  • 大まかな白内障手術の内容は乳化吸引(PEA)と眼内レンズ(IOL)挿入
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眼科の手術は解剖を覚えて器械だしにつくと流れがイメージできます。眼科専用の機器や手技が非常に多いので、名称と使い方を覚えるととても良いです。

白内障手術の概要

疾患白内障
体位仰臥位(座位のヘッドダウンでも可)
手術時間15分から30分
出血量少量
麻酔方法局所麻酔.全身麻酔(状態に応じて)

眼科の手術は基本的に眼科用のバイポーラや灌流、レーザーなどがセットになった器械を使います。当院ではアルコン社が販売しているコンステレーションビジョンシステムを採用しています。

白内障手術の手順

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基本的にはコンステレーションビジョンシステムに組み込まれている、バイポーラや吸引などで行います。追加で使用する資機材のみ記載していきます。

手術前準備〜

ここで使用するもの

  • ベノキシール
  • PAヨード
  • 局所麻酔薬品
  • BSS
  • コンステレーションビジョンシステムにBSSをつないで灌流できるようにする
  • BSSは眼科用の灌流液で、術中の乾燥防止や創部を灌流し視野を確保する
  • 主な灌流使用の目安は白内障手術:60~240mL.硝子体手術:90~400mL.緑内障手術:30~260mL
  • ベノキシールにて点眼麻酔
  • PAヨードにて消毒(添付文書以下参照)
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PAヨードは主に眼科で用いられる消毒薬で粘性があります。通常は冷所保存で使用前に常温に戻し、希釈して使用します。

  • 局所麻酔(点眼麻酔.強膜麻酔)
  • 眼科は眼に直接振りかける点眼麻酔に加え、創部に局所麻酔することが多い
  • 硝子体手術の場合はテノン嚢下や球後麻酔など局所麻酔方法が異なるので注意

前嚢切開

ここで使用するもの

  • オフサルミミックナイフ
  • 粘性弾性物質(シェルガン.ヒアルロン酸)
  • 角膜切開しサイドポート作成
  • シェルガン→ヒアルロン酸注入
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分子の大きさが異なる粘性弾性物質を注入することで前嚢を分かりやすくします。

散瞳が不十分の場合は手技がしにくいため、虹彩に切り込みを入れる(八重式マイクロやアイリスレトラクターなどを使用)

  • 必要時、トリパンブルーにて前嚢染色時
  • チストトーム(前嚢セッシ)で連続円形切嚢(CCC)し水晶体前嚢を切り取る
  • チストトームとは先端が曲がった前嚢切開などに使用する針のこと
  • 専用器具もあるが、通常は眼科用の針を曲げて使用する

乳化吸引(PEA)

ここで使用するもの

  • ストリットナイフ
  • スプリング剪刃
  • 角膜切開しBSS注入(ハイドロダイセクション)
  • 水晶体の核と皮質を超音波(縦溝→分割フック→回転→縦溝で四分割)で砕き乳化吸引して取り出す
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水晶体に縦溝を入れて半周回転させた後、再度、縦溝を入れることで水晶体が四分割されます。綺麗に分割し乳化吸引を行えると手術時間が短縮されます。

  • 破れて水晶体が眼底へ落ちた場合は硝子体手術となり倒像鏡.レンズ20Dシステムなどが必要になることが多い
  • 破れて硝子体が出てきた場合にはAbitカッターなどで簡易硝子体手術様の手技を行います
  • IAハンドピースで皮質吸引

眼内レンズ(IOL挿入)

ここで使用するもの

  • 粘性弾性物質(ヒアルロン酸)
  • 眼内レンズ
  • レンズを入れやすくするため、粘性弾性物質(ヒアルロン酸)で膨らませる
  • 残した後嚢の中に眼内レンズ挿入

サイズ、度数を要確認して清潔野に受け取る

  • インジェクター内はBSS/ヒアルロン酸などを使用しレンズを眼内に留置する

位置調整必要時はジンスキーやプッシュ&ブルを使用

  • 終了後はIAにて粘弾性物質除去
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不要なものは感染リスクになるため取り除きます。

  • 眼圧で自己閉鎖しないバイポーラで凝固または10-0ナイロンなどで縫合して閉創
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