【放射線看護】月刊ナーシングから学ぶ画像検査の特徴と比較

放射線検査/放射線治療
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本記事では月刊ナーシングなどを参考に画像検査について看護師の視点から紐解いていきます

現代の医学では様々な病気の診断に用いられる画像検査ですが、画像検査と一括りにしてもレントゲン、CT検査、MRI検査、超音波検査など種類は数多くあります

疾患や病態によってそれらの画像検査は使い分けられており、それぞれ検査によって特徴が異なります

看護師として画像観察を知るとこは病態生理を理解することに繋がり、より深く病態をアセスメントすることができる様になります

参考資料

月刊ナーシング 2021年4月号増刊号

今回参考にしたのは月刊ナーシングの中でも、画像検査に焦点を当ててピックアップしている2021年4月に掲載された増刊号です

月刊ナーシングは新人から中堅程度の看護師にオススメする医療雑誌であり、画像検査の見方や心電図の判読など臨床で必須な情報が満載です

また、画像の読み方を事例を元に紹介しているため、臨床に則った勉強内容でより学びが深まりした

画像検査とは

医療で用いられる画像検査は数多くあり、よく使われる検査としては以下の種類があります

  • レントゲン撮影(XP/X-ray Photograph)
  • コンピュータ断層撮影法(CT/computerized tomography)
  • 磁気共鳴画像法(MRI/Magnetic Resonance Imaging)
  • 核医学検査(RI/Radio Isotope)
  • 超音波検査(エコー検査)

各検査の違いは画像の原理と撮影方法です

レントゲン撮影(以下XPと略)やコンピュータ断層撮影法(以下CTと略)などは放射線を用いた検査であり、磁気共鳴画像法(以下MRIと略)は磁気を用いる検査です

対して、エコーは超音波を用いる検査であり、各検査によって被曝の危険性や撮影時間、描出される画像の種類が異なります

また、XPとCTでは撮影方法が異なり、レントゲンは一方向から映し出す画像ですが、CTは周囲を一周しながら撮影します

そのため、CTの方がより立体的に描出することが可能ですが、その分被曝のリスクも高いです

CTやMRIは造影剤を使って行うとコントラストがより明瞭になり、動脈相や静脈相に分けて撮影することで腫瘍の評価が可能

主要な画像検査の特徴

画像検査の中でも特に使われることの多いXP.CT.MRIの特徴を比較しました

XPCTMRI
物質放射線放射線磁気
被爆少ない多い無し
撮影時間短い短い長い
造影剤使用不可使用可使用可
閉所なしややありあり
画像一方向全方向全方向
小さいやや小さい大きい
金額安価やや高価高価

XPの特徴

  • レントゲンは短時間かつ簡易的に行える検査
  • ポータブルXPも可能であり、ベッド上でも撮影可能
  • 撮影部位に金属や服の柄、ボタンなどがあると映る
  • 骨や肺,心臓、腹部増加など様々な臓器の全体像が分かる
  • 石灰化や血管病変(大動脈解離など)、頭蓋内疾患(脳梗塞など)ああ

CTの特徴

  • 体を下から見上げる形で輪切りに撮影を行う方法
  • 撮影部位に金属がなければ、金属をつけたまま入室は可能(金属以外は撮影に影響なし)
  • 金属部分はアーチファクトが入り、描出欠損となる
  • 血管を描出するAngio CTでは各臓器の出血源の特定や動脈瘤、大動脈解離の診断にも有用
  • 微小血管の脳梗塞、ラクナ梗塞、early CT signが描出されない脳梗塞にはMRIの方が有効
  • CTで使うヨード造影剤は副作用のリスクが他の造影剤と比べて高い
  • 腎障害、甲状腺疾患、喘息、メトホルミンなどを含めた血糖降下剤を服用している場合には造影剤は禁忌または慎重投与

MRIの特徴

  • 放射線被曝のない検査であるが、時間がかかることと安静が必要
  • 人工呼吸器、酸素ボンベなどを含めて金属の室内持ち込み厳禁
  • 磁気カードなども持ち込むと磁気障害を起こす可能性がある
  • ヒートテックなど熱を吸収する素材は不可
  • 肌と肌が触れていると低温熱傷のリスクがあるため可能であればズボンを推奨

救急外来と画像検査

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救急外来で患者を受け入れた際にも画像検査はとても重宝します。特に重症度の把握が難しい症例には様々な検査を試みることも少なくありません。

救急外来は症状から原因を精査し、重症度や治療を決めるため、診断に欠かせない画像検査はほぼ全例で実施します

検査の特徴をそれぞれ活かして、臨床症状から全体像を捉えていきます

救急外来で行われる画像検査の使い所などを簡単に一覧にして紹介します

救急外来における画像検査の使い分け

項目特徴使い所
XP・簡易的に評価可能であり、ベッドサイドでもポータブルXPの撮影が可能・バイタルサイン不安定な際の画像撮影
・胸部のスクリーニング評価
・挿管チューブを含むチューブ類の確認
・骨折等の簡易的な検査
CT・被爆は伴うが短時間で撮影可能
・人工呼吸器やシリンジポンプでの薬剤投与時も撮影可能
・原因疾患の精査
・脳出血や大動脈解離、その他急性期疾患の撮影
MRI・撮影時間はかかるが、CTで描出困難な病態を詮索
・造影剤は基本使用しない
・多発性脳梗塞などCTで不明瞭な脳疾患
・脊髄損傷の評価
エコー・ベッドサイドで実施可能な検査
・非侵襲的であり簡易的に行うことが可能
・FAST、出血精査
・腹痛、胸痛などの胸腹部臓器に関する疾患

救急外来は緊急を要する疾患があるかどうかを即座に見分ける必要があるため、簡易的に行えるXPやエコーはとても有用性が高いです

しかし、レントゲンやエコーで診断できない疾患も多くあるため、全身状態(ABCD)の評価ができたらCTへと移行します

CTは頭から体幹部までの評価が短時間にできるため、疑わしい原因疾患を主として複数の臓器を評価することが可能です

また、造影剤を使うことで出血源や活動性の出血の有無、脳動脈瘤などの血管走行も把握することが可能です

MRIは撮影時間などから救急外来で行うことは少ないですが、脳梗塞や脊髄損傷の狭窄の程度を評価するときなどに使用します

救急においてMRIで造影剤を使うことはほとんどありません

まとめ

  • 放射線の被曝リスクがある画像検査XPとCT
  • ベッドサイドで行うことができる画像検査はXPとエコー
  • 体への影響が少ない画像検査はMRIとエコー
  • 簡易的に行える画像検査はXPとCTとMRI

画像検査の撮影は技師、判読は医師が行い、看護師はカルテを見て結果を知る

それでも看護師としての業務は可能ですが、カルテからは脳出血や重要な大きさ、肺炎の程度などが分からないことも多々あります

そういった時に画像を確認して、肺炎の部位に併せた体位ドレナージを行うことや脳の障害部位から失語などのリスクを予測できると看護の幅が更に広がると思います

今は診断の大多数がCTなどの画像検査を通して行われるため、画像検査を知ることはより疾患を理解し看護の質向上に繋がります

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