※関連記事はこちら↓
導入
コロナって騒がれてますが、コロナをもっと詳しく教えてほしいです
わかりました。コロナについて一緒に考えていきましょう。
猛威を奮って流行している、コロナウイルスは新型コロナと呼ばれています。
今回のコロナは新型なんですね。
そうなんです。良いところに気づきましたね。
新型コロナと言われるように実はコロナにも旧型があります。
2類感染症に指定されている病気の一つに重症急性呼吸器症候群があります。この原因ウイルスがSARSコロナウイルスなのです(他にも数種類あります)。
つまり元々コロナウイルスは存在しておりそれと遺伝子構造が類似している為、今回のウイルスは新型コロナウイルス呼ばれています。
新型インフルエンザと同じ意味になります。
概要
SARS-CoV2とCOVID-19
- 新型コロナウイルス:SARS-CoV-2
- コロナウイルス感染症:COVID-19(coronavirus disease 2019)
この2種はウイルスの名前と感染症名の違いです。19は2019年以降からの流行のため付けられました。
流行
- 海外:2019年12月11日〜発生
- 中華人民共和国湖北北省武漢市で発生
- 国内:2020年1月〜発生
- 国内では渡航歴のない60代男性が罹患し発生
発生原因
- 不明
- 一説にはコウモリから検出されたウイルスの塩基配列が新型コロナウイルスと近い為、そこが感染源の可能性が示唆されている
- 発生場所は華南海鮮卸売市場
症状
- 多岐に渡る(主に風邪症状と呼吸器症状)
自覚症状
- 咳
- 鼻汁
- 呼吸苦
- 発熱
※くしゃみは少ない
臨床症状
- SpO2低下
- WBC(白血球数上昇)
- 肺炎像(両肺野の場合が多い)
新型コロナは重篤化すると肺炎を引き起こし、呼吸器不全に陥ります。
また、合併症として血栓症が示唆されており、血栓症による入院患者も存在します。
また、新型コロナウイルスの特徴として無症状と言う点があります。一般的には風症状がある人は仕事を休んだり対応することで、感染を防ぎますが、無症状だと変わらない日常生活を過ごすかと思います。
知らない内に感染拡大の立役者になっていることが猛威を奮う原因とされています。
血栓症のメカニズム
コロナウイルスの合併症で起こる血栓症は重症患者の30%に起こると言われています。
厚生労働省では以下のように記載されています。
サイトカインストームや血管内皮障害により線溶亢進および線溶抑制されるため血栓症が起こりやすい。
厚生労働省HP
サイトカインとは
サイトカインの一種に炎症性サイトカインが存在します。サイトカインとは炎症した際にやってくるタンパク質です。
怪我を例にしてみると以下のようになります。
怪我をした際に出血を止める働きがあるのは一次止血と呼ばれる血小板と二次止血と呼ばれるフィブリンです。
その血小板を呼び込む機能としてサイトカインが存在しますサイトカインにより血小板が集まり止血が行われる。
血小板による一次止血を引き金にフィブリンによる二次止血が行われる。
これによって出血部位は止血され、多量の出血を免れます。
サイトカインは怪我による炎症だけでなく感染症等による内部の炎症にも同様に働きます。
サイトカインによって熱感や腫脹、
疼痛を誘起しますが、体を守るためにとても重要な機構になります
痛いところが腫れたりすることも大切な機能ということですね
血管内皮障害とは
血管内皮細胞とは名前の通り、血管の内側に存在する細胞です。
サイトカインの働き
- 血管透過性の調節
- 血管新生
- 抗炎症作用
- 凝血促進、抗血栓作用
上記のように細かく分けると様々な機能を有しますが、血管内皮細胞の主な働きは調整です。
血管透過性
血管透過性とは血管の隙間のような物です。血管と血管の外の間質では、水分のやりとりを行うことで血管内外の水分を互いに補います。
透過性が亢進し、血管内の水分が漏れ出ると浮腫(むくみ)や腫脹として体に変化が現れます。
血管新生
既存の血管から新しい血管が形成される過程を血管新生という。
日本血栓止血学会
名前の通り血管が新たに生まれることを血管新生と言います。本来、存在しない血管が臓器の虚血.悪性腫瘍.感染などを契機に新たに血管を形成することを表します。
血管新生は血管同士が繋がる場合(側副血行路)や特定の臓器に直接栄養血管として新生される場合があります。
抗炎症作用
体の中の炎症はサイトカインによって起こりますが、その炎症を抑える働きも血管内皮細胞にはあります。
凝固促進・抗血栓作用
凝固は止血、抗血栓は血液が固まるのを防ぐ働きです。このように相反する機能を調整役として担っているのです。
そのため炎症性サイトカインが止血作用を示しても、血管内皮細胞の働きで止血作用の働きすぎ(血栓形成)を防ぐことができます。
※抗凝固にはその他にもプラスミンなど様々な因子が関わっています
血管内皮障害とサイトカインストーム
炎症反応が強いとそれに対抗しようとサイトカインが異常上昇します。
すると全身にサイトカインの作用が波及し血栓を形成、調整役である血管内皮細胞の障害が起こり、血栓形成が更に進行し血栓症を合併します。
コロナと血栓症
コロナは基本的に経口または経鼻より侵入し肺炎を引き起こします。
しかし、重症肺炎になるとそれを治癒しようとサイトカインが大量発生し、サイトカインストーム、血管内皮障害を引き起こし血栓症を起こします。
血栓症の補足
臨床で血栓症(肺塞栓症)を合併する理由として多いのは深部静脈血栓症です。
エコノミークラス症候群を医療用語で表したもので、長期間同じ姿勢が続くと心臓から1番遠い足に血流が鬱滞し血栓を形成する病態です。
深部静脈血栓症でできた血栓は血流によって下大静脈→右心房・右心室→肺動脈へ到達し肺塞栓症を引き起こします。
病院では臥床患者に対し、弾性ストッキングやフットポンプと呼ばれる足を他動的に刺激する機械をつけて予防します。
コロナによって重症肺炎になった場合長期間寝たきりのため、肺塞栓症のリスクを上昇させてる可能性もあります。
抗原検査とPCR検査
抗原検査とは
ウイルス内に含まれる抗原と呼ばれるたんぱくと抗体を合わせて抗原抗体反応(くっつく反応)が起きるかを見る検査です。
抗原抗体反応が起きるから抗原があるだろうと推測できるものでコロナウイルス自体を発見しているわけではないです。
そのため実際にコロナウイルスかどうか確実性は低いです。
PCR検査とは
ウイルスのDNAを特別な薬剤をつけ、増殖させることで実際にコロナウイルスの遺伝子(DNA)構造があるかを確認する検査です。
遺伝子を見るので確実性は高いですが、増殖させる過程等で時間がかかるため即時結果が出るわけではありません。
使い分け
それぞれメリット・デメリットを活かし病院では以下のように使い分けています。
項目 | 用途 | 特徴 |
抗原検査 | 緊急入院 | ・簡易的 ・結果までが短時間 |
PCR検査 | 定時入院.緊急入院後 | ・時間がかかる ・検出率が高い |
また、PCR検査でも検出率は100%ではないため可能性の高い場合(肺炎で入院など)はPCR検査を2日間続けて行います。
まとめ
世間がコロナと呼ぶものの正体を今は全ての人が知るべき時代です。
この後ワクチンについてまとめていますが周囲の環境に流されてコロナを脅威に感じている人も多いと思います。
- 周りがやってるから外出する
- 周りが言ってるからコロナは危険だ
- 周囲がやってるからワクチン打つ
しかし、大切にして欲しいことは、責任は周りではなく自分にあるということです。
コロナに罹患することもワクチンによる副作用も全て結果は自分に返ってくるので、コロナを深く知って自分の行動を選択できるようになれると良いです。