【災害看護】災害の歩みと災害対策

救急/急変/災害/
この記事は約18分で読めます。

導入

1995年の阪神淡路大震災、その後も2011年には東日本大震災、続いて熊本大地震など日本は天災の起こりやすい環境下に属しています。

近年はテレビでも災害対策を講じてますが、実際に直ぐに持って行ける場所に常に点検済みで準備している人は決して多くはないと思います。

ER Nurse
ER Nurse

本記事では災害の歩みと災害時の対策を医療者側と非医療者側、双方から紐解いていこうと思います。

本記事の内容

  • 災害看護の歩み
  • これからの災害看護
  • 災害対策

関連記事はこちら↓

参考資料

expert nurse(エキスパートナース) 2021年3月号↓

災害医療の歩み

東日本大震災から2021年3月3日で10年経ちました

2021年1月14日にも東北で地震が起き、その他にも地震は頻繁に発生しているように、今日本は災害と隣り合わせにある環境にあります

災害看護が身近にあると言いつつも災害は来たる未来への備えであり備えれば今の医療の現状がよくなるわけでは無いことから煩雑な病棟勤務下では疎かになることもあります

それでも、EMIS(災害救急医療情報システム)ができたり、病院でもBCP(事業継続計画)がより強化されたことかと思います

expert nurs 2021年3月号でも東日本大震災から10年が経過し災害看護が取り上げられていました

f:id:ER-Nurse-k:20210522231101j:plain

近年起きている災害の特徴

  • 毎年甚大な災害が発生している
  • 災害の種類が多様化・複雑化している
  • 広域で壊滅的な被害状況である
  • 県外から被災地内への支援が困難で欠援状態となる

阪神・淡路大震災を経て災害対策が不十分であることを痛感し、それから、災害医療は著しく進歩しています

しかし、東日本大震災では津波の影響や原発による被害も甚大であり地震による二次災害が大きな被害に繋がっています

また、県外から被災地内への支援は中々困難を極めます

特に現在はCOVID-19の蔓延で更に人の移動が難しく、被災地で感染爆発が起これば新たな二次災害を引き起こすことになってしまいます

これからの災害看護

  • 災害看護は特殊領域ではなくすべての看護職が身につけておくもの
  • 多様な健康・生活上のニーズを詳細に把握し、それに対応した支援をしていくことが求められる

災害看護は今や身近なもので、私の部署でも災害係として災害の勉強会や災害マニュアルの見直しなどを通年通してやっています

また、災害時に備えて災害訓練やエマルゴ訓練も院内では行っています

特にエマルゴ訓練は昨年体験しましたが、災害のイメージがつきやすくオススメです

エマルゴ訓練

スウェーデンで開発されたエマルゴトレーニングシステムに基づくシミュレーションです

病院のCSCATTTの体系が適切か、実際の災害時の動きについて学ぶことができます

私が昨年行ったものは40人程度時間軸を2倍にして行うものでした

時間軸を2倍にして行うので、発生から1時間までのシュミレーションであれば30分で行う形となります

トリアージブースや病棟、統括者などに分かれて災害発生から報告、病棟のベッドコントロールなどを含めた対応行うシュミレーションでした

実際にはトリアージブースのみでなく、ベッドコントロールも大変で、意外にも手術室の人員確保とオペ時間を踏まえたベッドコントロールなどが非常に大変でした

また、エマルゴ訓練を行うと院内でのコントロールをとても意識してしまいますが、地域との協力や広域搬送も視野に入れて動けると救命の幅がとても広がるのを実感しました

  • Command & Control:指揮・命令(連携)
  • Safety:安全確保
  • Communication:情報収集・伝達
  • Assessment:評価
  • Triage:トリアージ
  • Transport:搬送
  • Treatment:治療

エマルゴ訓練の指導する為のコース受講はこちらHP参照↓

エマルゴとは - 医療危機管理支援機構
NPO法人医療危機管理支援機構(MeCCSO)は様々な医療標準化教育を展開する組織です。 AHA(アメリカ心臓協会)の心肺蘇生法コースである、BLS、ACLS、PALSコースの開催や、災害医療の机上シミュレーショントレーニングであるエマルゴ...

災害対策

これからは全ての人が災害対策を行う必要があります

災害対策と言えば、災害セットの準備が1番良く言われるものだと思います

しかし、災害は震災・水災など多様にある為、私自身が行なっている災害対策を少し紹介します

災害に備えて自宅でやるべきこと

災害に備えてやることは主に2つです

災害セットを作る

私はキャリーバックに災害セットを作っています

f:id:ER-Nurse-k:20210526153049j:plain

キャリーバックは持ち運びの際は重たいですが、大容量でキャスターもついている為、外に持ち出せばリュックより利便性が高いです

量が少ない場合は『災害リュック』などで準備すると良いです

災害リュックでオススメ商品はこちら↓

耐火構造になっており大容量、持ち手は蓄光構造になっており停電時にも直ぐに見つけることができます

玄関やリビングにも違和感なく置けるスタイリッシュなデザインで、グッドデザイン賞受賞も受賞しています

主な商品仕様

災害リュックの中身

中身の購入は100均などで揃えるのをオススメします

実際に半分くらいは100均で揃えましたが、足りないものは殆どありませんでした

その他、携帯充電器などは好きなものを買い足して下さい

私が現在入れているセット↓

f:id:ER-Nurse-k:20210526221349j:plain

災害セットで大切なこと

①半年に一回は点検する

災害セットの中には『飲み物』など期限があるものや、ティッシュ、ラップなど劣化するものも多くあります

定期的に見直しして新しいものと交換すると良いです

②環境を把握する

  • 自宅周囲の避難場所、高台
  • 水害リスクの高い場所の把握

環境把握は災害対策において非常に重要です

住んでいるところの標高、近くに氾濫する可能性の河川の有無や避難場所、避難経路は把握して実際に起きた際にイメージしておくと落ち着いて対応することができます

災害に備えて医療者としてやること

私が医療者として行った&行う災害対策をpickupしました

  • トリアージや災害知識の取得
  • 災害時のシュミレーション
  • DMATなど災害に関する資格の取得

私はトリアージの勉強会を昨年行いましたが、トリアージの種類だけでも簡易的な『START法』、更にVS等や全身状態を加えた『PAT法』、小児のスタート法である『JUMP START』など様々です

病棟単位で行うものとしては上記で記述したエマルゴ訓練のような災害シュミレーションを行うことで、病棟での対応を明確にメージできるようになります

また、資格的なものでいえば、『DMAT』があります

※DMAT(Disaster Medical Assistance Team):災害医療派遣チーム

日本DMATや東京DMAT、その他にも災害支援ナースなど災害に出動できる資格は多くあります

※DMATに関しては病院から推薦がないと、受講できない為、病院に確認してみてください

災害看護のまとめ

災害とは来るべき時に向けた備えであり個人だけでなく病院においては組織で取り組むことで災害対策の質は更に向上します

また、COVID-19の感染拡大に伴い避難所の密の防止、避難所でのワクチンやPCR検査の対策、クラスター発生時の対応など実際に発生した際には予測不能な事態が多く発生すると思います

その為、今この静穏期に出来る個々の災害対策を見直して自分の身を守れる備えを施しておいてください

インスタでも医療情報を公開中📚

URLをクリック↓

ブラウザーをアップデートしてください
タイトルとURLをコピーしました