【医療用語/医療略語】救急・災害・外傷関連の用語・略語集

医療用語/略語

救急医療と災害・外傷医療に用いる医療略語・医療用語をピックアップして掲載しています

  • 自己学習の過程でメモしたいことを記載
  • JPTECやJNTECに関しては別の記事を参照
  • 更新は随時実施

IVR関連はこちら

各疾患関連はこちら

循環器疾患・心臓カテーテル関連はこちら

JPTECについてはこちら

JNTECについてはこちら

医療略語一覧

※別の記事で細かく記載があるものはクリックして移動できます。

ACS腹部コンパートメント症候群
ARDS急性呼吸窮迫症候群
ASDH急性硬膜下血腫
CCF胸骨圧迫比率
CSDH慢性硬膜下血腫
DCSダメージコントロールサージェリー
DIC播種性血管内凝固症候群
DMAT災害派遣医療チーム
EMIS救急医療情報システム
GSW銃創
IOI骨髄内輸液
JMAT日本医師会災害医療チーム
LOS低心拍出量症候群
LUD用手的子宮側方移動
MODS多臓器障害
MVA交通外傷
MOF多臓器不全
NOMI非閉塞性腸管虚血
PCAS心肺停止後症候群
PFAサイコロジカル・ファーストエイド
RRT院内急変対策チーム
SFTS重症熱性血小板減少症候群
SIRS全身性炎症反応症候群
TTM体温管理療法

蘇生行為に関する略語

ACPアドバンス・ケア・プランニング
(人生会議)
BSC最善の支持療法
DNAR蘇生を試みない
DNI挿管不要
DNR蘇生措置拒否
LVリビングウィル(生前意志)

外傷/災害関連用語

ACS/腹部コンパートメント症候群

  • abdominal compartment syndrome
  • 腹腔内大量出血など腹腔内圧の急激な増加により呼吸・循環障害をきたす症状の総称
  • DCSとも深く関わり、ダメージコントロール後の閉創に伴う内圧上昇もしばしば原因となる
  • その他として腎障害に対する大量輸液などで腹水が生じた場合にもACSを引き起こす
  • 治療は腹腔内圧の減圧

CSCATTT

  • 災害発生後にとるべき行動の基本原則
Command&Control指揮&命令
Safety安全確認
Communication情報伝達
Assessment評価
Triageトリアージ
Transport搬送
Treatment治療

CBRNE(シーバーン)災害

  • Chemical(化学)
  • Biological(生物)
  • Radiological(放射性物質)
  • Nuclear(核)
  • Explosive(爆発物)の略称
  • NBC災害に基づいて分類された概念
  • 地震などの自然災害ではなく、テロや化学工場爆発などの特殊災害のことを示す

DCS/ダメージコントロールサージェリー

  • 重症外傷における応急処置
  • 蘇生のための初回手術集中治療再建のための手術の3要素で構成

FAST/簡易迅速超音波

  • Focused Assessment with Sonography for Trauma
  • 外傷に対し行う簡易迅速超音波による評価
  • 評価する部位は心嚢、胸腔、腹腔における出血の有無
    • 心嚢腔
    • モリソン窩
    • 右胸腔
    • 脾臓周囲
    • 左胸腔
    • ダグラス窩

MODS/多臓器障害

  • multiple organ dysfunction syndrome

MOF/多臓器不全

  • multiple organ failure

NOMI/非閉塞性腸管虚血

  • non-occlusive mesenteric ischemia

Open book(オープンブック) type

  • 不安定型骨盤骨折の一つ
  • 前後圧迫型でAPC(A-P compression)とも呼ばれる
  • 恥骨結合の離開/腸骨の転移/仙骨靭帯断裂
  • 絶対安静で骨盤骨折の悪化を防ぐ
  • 骨盤内出血が続く場合はTAE(動脈塞栓術)の対象となる

RIZE

  • 四肢の損傷に対する応急処置
  • 『安静』『冷却』『圧迫』『固定』の頭文字を取ったもの

f:id:ER-Nurse-k:20210816040022j:plain

救急疾患関連用語

ガス壊疽

  • 嫌気性細菌(ウェルシュ菌)を初めとするクロストリジウム属により起こる
  • 損傷した筋肉や軟部組織から健康な筋肉に細菌が侵入することでガスが発生し、毒素が全身に廻るため急激に組織壊死を起こす
  • 抗生剤の投与例はメロペネム1g.クリンダマイシン600mg.バンコマイシン1gなど

カリウム血性ミオパチー

  • ミオパチーは筋肉の疾患の総称
  • 一般は筋肉の萎縮による脱力を指す場合が多い
  • カリウム性ミオパチーでは周期性四肢麻痺が見られ、四肢の運動麻痺が起こる
  • 低カリウム性ミオパチーは男性.甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの既往歴がある場合が多い
  • 高カリウム性ミオパチーは遺伝性が多い
  • 検査ではカリウム異常とCK(クレアチニンキナーゼ)上昇が見られる
  • 呼吸筋の運動障害は起こらないが、心筋の機能不全は起こる可能性がある

CCF/胸骨圧迫比率

  • Chest Compression Fraction
  • 蘇生時間中の胸骨圧迫実施時間の割合
  • 胸骨圧迫を行った時間÷心肺停止時間(傷病者の発見~病院への搬送完了)×100(%)
  • CCFを60%以上、可能であれば80%以上を目指す(急性期ケア専門士公式テキスト参照)

EGDT(Early goal directed therapy)

  • 敗血症の早期治療のプロトコール
  • 6時間以内に救急処置を施すことが重要とされる
  • 達成により院内死亡率が15%程度下がると言われている
f:id:ER-Nurse-k:20210517112727j:plain

IOI/骨髄内輸液

  • ショックをはじめとする危機的状況で、末梢静脈確保を試み、2回不成功の場合に行う
  • CPAや重症ショックの場合は第一選択で行っても良い
  • 穿刺部位は前脛骨(下腿)が一般的
  • その他の穿刺部位として腸骨などがある
  • 輸液の内容は細胞外液などで、原則短時間で抜去

LM/ラリンゲルマスク

  • 下咽頭に換気口側を上にして挿入する
  • 拡張することで食道および咽頭を閉鎖し、気道確保を行うことができる
  • 看護師でも使用可能
    f:id:ER-Nurse-k:20210522000329j:plain

LTS/ラリンゲルチューブサクション

  • 食道閉鎖式エアウェイ
  • 食道に挿入し食道を奥側のBaで閉鎖、咽頭付近を手前側のBaで閉鎖することで気道確保が可能
  • 素早く簡易に挿入でき、食道をBaで閉鎖することで嘔吐を防止できる
  • 咽頭損傷のリスクあり
  • 救命士はCPAのみ挿入可能(地域差あり)
    f:id:ER-Nurse-k:20210521235709j:plain

SFTS/重症熱性血小板減少症候群

  • Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome
  • 主にブニヤウイルス科フレボウイルス属のウイルスを保有しているマダニに噛まれることで発症
  • 日本では2013年に初めて報告され、4類感染症に指定されている
  • 発症例1位は宮崎であり、西日本を中心に発症率が高い
  • 発熱、消化器症状、血小板減少を主とする症状
  • 致死率は10〜30%で治療は対症療法のみ
  • 海外(中国.韓国)では医療従事者などへ血液などの体液、呼吸による分泌物から感染した報告もあるため陰圧管理のできる部屋での対応が望ましい

T-SAH/外傷性くも膜下出血ティーザー

  • Trauma subarachnoid hemorrhage
  • 外傷によって引き起こされるくも膜下出血
  • 基本的には動脈瘤ではないため止血剤のみで対応
  • 持続する出血や大量の頭蓋内出血があればIVRや手術の適応

TTM/体温管理療法

  • Targeted temperature management
  • 低体温療法(Therapeutic hypothermia)と平熱療法Anti-hyperthermia,Induced normothermia)をまとめた呼称
  • 高体温を回避することで脳障害の進行防止、中枢神経の保護作用を期待する
  • AHAガイドラインでは心停止後にROSCが認められた昏睡状態にあるすべての成人患者に対し、32-36℃から目標体温を選びその体温に達したら少なくともその状態で24時間以上維持するTTMを施行するべきとされている
  • JRCガイドラインでは院外でのVFによる心停止後、心拍が再開した昏睡状態の成人患者に対しては、心拍再開後治療のバンドルの一部として体温管理療法(24時間以上、32-36℃)を行うと記載
  • JRCガイドラインでは院外心停止および院外のPEA、心静止による心停止後に心拍再開した昏睡状態の成人患者には体温管理療法を考慮する。体温管理療法終了後、高体温を予防・治療することを考慮するとも記載

蘇生に関する医療用語

BSC/最善の支持療法

  • Best supportive care(ベスト・サポーティブ・ケア)
  • 積極的治療を行わず最善の支持療法を行うこと
  • 主に癌などに使われることが多く、積極的な治療を行わず疼痛緩和などの対症療法に努める
  • DNARとの違いは蘇生行為のみでなく積極的治療も行わないことを示す

DNAR/蘇生を試みない

  • Do not attempt resuscitation
  • 蘇生が成功する可能性が低い状況において蘇生を試みない
  • DNRより柔らかい印象を持たせるために作られた用語

臨床ではDNARの指示がある場合、BSCと書かれていなくても侵襲的な治療を行わない方針であることが多い

DNI/挿管不要

  • Do not Intubate
  • 挿管不要のコードであり、DNARなどと併用して使われることが多い

DNR/蘇生措置拒否

  • Do not resuscitation
  • 心肺蘇生法を行わないこと
  • DNARより前に使用されており、DNARと同義

LV/リビングウィル

  • living will/リビングウィル/生前意志
  • 本人が示す意思決定ができなくなった際の指示書
  • 医療に関する遺言書とも言われ、本人の望む最期を尊重するために作成する
  • DNARなどもLVの意思決定の中に含まれる

フルコース

  • 医療現場では急変時に全ての蘇生行為を行うことを示す
  • 胸骨圧迫や人工呼吸(気管挿管)、薬剤(昇圧剤)投与などの蘇生行為が含まれる
タイトルとURLをコピーしました