【手術看護】下肢静脈瘤血管内焼却術(EVLA/レーザー)の器械だし手順

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手術手順
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下肢静脈瘤の治療を使い分ける

OPE-Nurse
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下肢静脈瘤における血管内焼灼術の器械だしに関する手順やポイントを紹介していきます!焼灼術にはEVLA(レーザー)治療とRFA(高周波アブレーション)治療がありますが、今回はその中でもEVLA(レーザー)治療に焦点を絞り、紐解いていきます。

様々な病院で行われる手術ですが、大まかな方法は決まっているものの、詳細な手順や使用する資機材は病院や手術する医師によって様々です。そのため、あまり参考書以外では詳細部分まで知ることが難しい現状があります。

今回は手術室看護師として実際に行った下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術(EVLA/レーザー)の術式や大まかな方法、手術の際に使われる器械や流れを解説していきます。

手術室看護師や手術看護に携わる職種、手術を受けられる人などが少しでも手術に対してイメージがつき、少しでも安心して手術を実施できることを目的としています。

  • 手術は施設によって方法や手術時間が大きく異なりますので、あくまで参考として紹介しています
  • 特に閉創や創部保護などは大きく異なることが多いです
  • 手術の方法などは医療の進歩に伴い変わっていくことが多いです。可能な範囲で訂正はしていきますが、変更できていない場合はご了承ください
  • 通常と異なる場合を除いて、消毒やドレーピング、準備過程における手技は割愛しています

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下肢静脈瘤血管内焼灼術

  • 血管内焼灼術(EVLA)とは下肢静脈瘤に対してレーザーを用いて血管内を焼灼することで静脈瘤のある血管の血流を途絶させる治療方法
  • 下肢静脈瘤の手術は複数あるため、血管内焼灼術のメリット・デメリットを把握することが大切
  • 血管内焼灼術は治療血管周囲の麻酔(TLA麻酔)を行うため、麻酔に伴う疼痛や熱傷のリスクに注意が必要
  • 術後の圧迫療法が必要
OPE-Nurse
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下肢静脈瘤における血管内焼灼術は静脈瘤の主流な治療法でありますが、近年は塞栓術などが出たことにより症例数は比較的少なくなりつつあります。しかし、塞栓術より蛇行血管には比較的柔軟に対応できるため、特性の理解が大切になります。

下肢静脈瘤血管内焼灼術(EVLA/レーザー)の概要

疾患下肢静脈瘤(伏在静脈)
体位仰臥位,腹臥位
手術時間30〜60分
出血量少量
麻酔方法局所麻酔,TLA麻酔

EVLAとはEndovenous Laser Ablationの略称であり、下肢静脈瘤における主要な治療方法です。下肢静脈専用のレーザーを静脈瘤の血管内から照射することで血管を焼灼し内腔を閉塞させます。焼灼された血管は硬く縮み半年程度で体内に吸収されます。

血管内焼灼術はメスなどの切開及び縫合を必要としない手術のため、侵襲が少ないです。局所麻酔で出血も基本的に少量であり、日帰りでの手術実施も可能です。体位は大伏在静脈(GSV)を塞栓する場合には仰臥位で実施しますが、小伏在静脈(SSV/SPV)を塞栓する場合には腹臥位で実施します。

仰臥位で実施する際には内側の血管からアプローチすることが多いため、下肢がガニ股(カエル足)になるように枕やクッションなどで整えます。

下肢静脈瘤血管内焼却術(EVLA/レーザー)の適応

  • 下肢静脈瘤の中でも大伏在静脈(GSV)や小伏在静脈(SSV/SPV)など主要な血管に瘤が存在する
  • 血管径の異常な拡大が見られない

血管内焼灼術の適応となる血管は主に大伏在静脈(GSV)と小伏在静脈(SSV/SPV)です。血管内焼灼術ではカテーテルを挿入し焼灼するため、ある程度蛇行していない血管が必要となります。例外的に副伏在静脈などに実施することもありますが、ファイバーが通らないほどの血管径では実施が困難となります。

また、焼灼した血管をTLA麻酔及び体外から圧迫することで、血管内腔を癒着させ閉塞させることで効果を発揮します。血管径が異常に拡大している血管も同様に治療効果が出ないため推奨しないことが多いです。ファイバー自体はスリムタイプとスタンダードタイプの2種類のファイバーが存在し、塞栓術のカテーテルよりも細く柔軟なため、軽度の蛇行した血管であれば対応が可能であることが特徴です。

下肢静脈瘤血管内焼灼術(EVLA/レーザー)の禁忌

  • 血栓症を有する症例
  • 感染症などの皮膚疾患部位

血管内焼却術は塞栓術と異なりアレルギーなどのリスクは特にないです。しかし、下肢静脈瘤の治療によるDVTのリスクが存在するため、深部静脈血栓症を有する症例では実施困難となります。

また、焼却術では体外から麻酔薬を血管に沿って注入するため、皮膚疾患がある血管では使用が困難となります。そのような場合には塞栓術など別の治療方法を検討します。

焼灼術の比較

焼灼術(ETA)にはEVLA(レーザー)の他にRFA(高周波アブレーション)がありますが、EVLAは元々980nm波長のレーザーであったため、術後疼痛や内出血が見られやすくRFAよりリスクが高いと考えられていました。

しかし、1470nm波長の新型レーザーが2014年に国内で保険適応となったため、上記の合併症が改善されました。RFAは120℃の金属コイルで全体を高周波焼灼するためムラなく治療が可能であり、現在は治療や合併症に大きく差がないとされています。

治療成績やリスクとしての差はないですが、EVLAとRFAではファイバーの種類が異なります。EVLAはスタンダードファイバー(径1.85mm)とスリムファイバー(1.27mm)の2種類で径を選択可能です。対してRFAは60cmタイプと100cmタイプのファイバーがあるため、長さを選択可能です。

RFAでは大伏在静脈では100cm,小伏在静脈では60cmを使用することが一般的です。

また、焼灼術を含めカテーテル治療では原則シースをしようとするため術後の圧迫止血や血腫形成などのリスクを伴いますが、EVLAのスリムカテーテルであれば16Gのサーフロでもアプローチが可能であるため、術後の圧迫止血が比較的容易になります。

その他の違いとしては、RFAは機械による自動巻き取りになるため均一に焼灼が可能に対し、EVLAは手動でのレーザー治療が可能であるため指向的なアプローチが可能になります。RFAでは先端のコイルが3cmのものと7cmのものがあるため治療長などによって使い分けます。

OPE-Nurse
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実施者側としては、EVLAの時のみ保護用のメガネを着用する必要があるため注意が必要です!

血管内焼灼術の物品

  • スタンダートファイバー
  • スリムファイバー

血管内焼却術では2種類のファイバーが使用可能です。体外と血管内の通り道としてシースの使用が通例ですが、スリムファイバーの場合には16Gより径が大きいサーフロでも代用可能です。

下肢静脈瘤血管内焼却術(EVLA/レーザー)の手順

OPE-Nurse
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下肢静脈瘤血管内焼灼術では基本的に器械は不要です。静脈瘤の切除などを併せて実施する場合には切開・縫合などのセットを準備します。

標準的に使用するデバイス

シース・穿刺部にカテーテルを出し入れするための入り口
・6Frより径の大きいシースを基本的に使用する
・スリムファイバーであれば16Gでも代用可能
ファイバー・静脈瘤の血管をレーザーにて焼却するためのデバイス

基本的には径シース的なアプローチとなりますが、静脈瘤の瘤切除術を併せて行う場合には切除予定の血管を露出した際に直接挿入し実施することもあります。

シースの長さは特に決まりはありませんが、入り口付近に塞栓物質を注入する際にシースを血管ギリギリまで抜く必要があるため長すぎると操作に影響を及ぼす可能性があります。一般的には7cm程度のショートサイズのシースを使用することが多いです。

TLA麻酔の準備

血管内焼灼術ではTLA麻酔を実施します。TLA麻酔とはTumescent Local Anesthesiaの略語であり、膨張したという意味のTumescentと局所麻酔のLocal Anesthesiaを合わせて言葉になります。意味合いの通り、局所麻酔薬を注入することで血管焼灼時の疼痛防止と注入することによる膨張の効果を目的とします。

血管周囲の筋膜下に注入し膨張させることで、筋膜と血管が離れるため組織の熱傷を防止する効果があります。また、血管周囲を薬液で満たすことで血管が圧迫する効果も得られるため、レーザーがより確実に照射しやすくなります。

TLA 液の使用量は5~6ml/cmが目安であり、 1 肢あたり 200~250ml 程度まで使用可能です。効果は約18 時間持続すると言われているため、術中に効果が切れることは基本的にはないと言われています。

TLA麻酔の内容は生理食塩水にE入りのキシロカインとメイロンを混合させたものになります。E入りのキシロカインはpH3.3〜5.0の酸性です。酸性の薬液を大量に注入すると、組織への刺激が強く疼痛が生じます。

アルカリ性のメイロンを混注することでpHを中性に戻し、麻酔薬の注入による疼痛を軽減する働きがあります。

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キシロカインで局所麻酔をするとしみるような疼痛があるのは穿刺痛に加えて、pHが酸性であることによる刺激痛です。

TLA麻酔の主な内容(一例)

  • 生理食塩水 500ml
  • 1%E入りキシロカイン 40ml
  • メイロン8.4% 20ml

※施設・病院によって異なる

レーザー本体の準備

  • 牽引装置を小角、フットスイッチを床に準備する
  • 各種コード(電源、フットスイッチ,牽引機)を接続しレーザー本体裏にある電源を ON にする
  •  パスワードを入力し設定ボタンを押す
  • フットスイッチを踏みセルフチェックを行う
  • 部屋の扉や窓にレーザー照射中の貼り紙を貼り、レーザー保護用のメガネを準備する
  • レーザー本体と牽引機が真っ直ぐになるようにセッティングする
  • レーザー照射中は人が入らないような対応が必要

シース挿入

ここで使用するもの

  • 消毒(消毒鉗子),ドレープ
  • 局所麻酔(1%キシロカイン,シリンジ,針)
  • シース一式
  • エコー(滅菌カバー)
  • イソジンにて消毒しドレーピング,エコーにエコーカバーを掛け術野に準備する
  • 1%キシロカインにて局所麻酔,麻酔効果確認
  • エコー下にてサーフロ穿刺し、血管留置後にサーフロの内筒を抜去
  • シース用のガイドワイヤー挿入しサーフロの外筒を抜去する
  • 血管内に残っているシース用のガイドワイヤーを経由してシースを血管内に挿入する
  • ヘパリン生食で逆血を確認し静脈とシース内をフラッシュする
  • 消毒は穿刺部のみでなく塞栓剤を注入する範囲(エコーを実施するため)まで行うため、大伏在静脈の血管内塞栓の場合には鼠径部まで露出し消毒を実施する
  • 局所麻酔は血管収縮した場合には穿刺困難となるため血管収縮作用のあるE入りキロカインは原則使用しない
  • シースを使用しない場合はシース挿入部分は割愛
  • 皮膚が引っかかりシースが挿入困難な場合は穿刺部上1mm程度、付属のメスで皮膚を切開することがある

レーザー用ファイバー留置

ここで使用するもの

  • リングラディアルファイバー(スタンダードまたはスリム)
  • ファイバーを挿入しエコー下で焼却部分近位端まで進める
  • エコー下で伏在静脈の外周に カテラン針を刺して TLA 液を注入する
  • レーザーのセッティングを行う
    • レーザーのコネクト部を外回りが受け取り本体と接続する
    •  カテーテルを牽引装置にかけてロックをかける
    • 治療長やパワーを設定する
    •  フットスイッチを踏み牽引機との弛みを取る
    •  室内の医療者は全員ゴーグルを装着しカーテンなどによって、外部とも遮断されていることを確認する
    • スタンバイから焼灼可能に切り替える
  • 必要に応じてガイド光を照らすことで、体表近くでは体外から先端位置の把握が可能
  • TLA麻酔は1肢あたり200〜250ml程度が目安
  • 手動での焼灼の場合は牽引機への設置や設定は不要

血管内焼灼術

ここで使用するもの

  • リングラディアルファイバー(スタンダードまたはスリム)
  • レーザーをREADYの状態にした後、フットスイッチを踏んで焼灼を開始する
  • 牽引機使用時はフットスイッチを踏み続けると既定の範囲自動的に牽引しながら焼灼される
  • 焼灼終了後は STANDBY を押して誤照射を予防する
  • 逆側の下肢も実施する場合には牽引装置からファイバーを外し、術側側にファイバーのゆとりを持たせてから再度牽引装置にセットする
  • リセットボタンを押した後、再設定を行ってから逆側の焼灼を実施する
  • 焼灼時に熱感や疼痛を伴う場合にはTLA麻酔を追加する
  • パワー、総エネルギー、照射長、照射時間、TLA 使用量などを確認しカルテに記載する
  • 推奨エネルギー(J)は大伏在静脈が70J程度、膝窩静脈が50J程度、小伏在静脈が35J程度

閉創

ここで使用するもの

  • ドレッシング剤
  • 俵状のガーゼ
  • 包帯
  • シース抜去後は用手圧迫止血を行う
  • 止血を確認でき次第ドレッシング剤を貼付する
  • シース部位は刺入部の孔が大きいため、俵状のガーゼなどで圧迫止血を行うことが望ましい
  • 患肢に包帯を巻いて全体を圧迫する
  • 切開を行なっていないため縫合は不要
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